九州の食べんといかんばい~大分編~ 「関アジ&関サバ」
今や全国にも知れ渡っている「関アジ」と「関サバ」は、大分県佐賀関沖(さがのせきおき)の豊予海峡(ほうよかいきょう)で釣れる高級魚です。一般的なアジやサバと比べると、ほのかに金色を帯びており、一尾数千円~数万円で取り引きされることもあります。
関アジと関サバの美味しさの秘密は、まず豊予海峡の地形にあります。豊予海峡は、瀬戸内海と太平洋がちょうどぶつかり合い、年間を通して水温が一定の水域になっています。そのため、餌となる様々な生物が豊富に生息しています。そしてこの海峡の生物たちは、荒波にもまれることで運動量が多く、他にはない引き締まった身になるのです。
そして、豊予海峡の地形によって性質にも変化が。
普通、アジやサバは「回遊魚」という、群れで移動する習慣があります。そのため、群れで泳いできたところを狙い網で一気に漁獲するという方法が通常です。ところが関アジと関サバは、回遊せずに一定の海域に留まる習慣があるのです。なぜなら先程申し上げたとおり、豊予海峡には美味しい餌が豊富。移動しなくても生きていけるのです。
では、回遊しない関アジと関サバをどうやって漁獲するのかというと、一本釣りです。大分県漁協佐賀関支店の組合員が、豊予海峡で一本釣りしたアジとサバのみ、「関アジ」と「関サバ」を名乗ることが許されるのです。また、一本釣りは網とは違い、魚同士がぶつかり傷がついてしまうことがありません。そのため、劣化が防げるというメリットがあります。
一般的なアジは5~7月、サバは10~12月が旬とされていますが、関アジは3~10月、関サバは10~3月が旬という圧倒的な長さ。また、アジとサバは塩焼きや煮付けなどの加熱料理によく用いられますが、関アジと関サバは刺身で頂くのが通例です。他にはない、引き締まった身の歯応えは絶品ですよ!