九州の食べんといかんばい~鹿児島編~ 「ぢゃんぼ餅」
鹿児島で昔から食べられている郷土菓子に「ぢゃんぼ餅」というものがあります。“ジャンボ”と聞いて、「大きいお餅かな?」と思ってしまいますよね。実は“ぢゃんぼ”と“ジャンボ”は全く関係ありません!
「ぢゃんぼ餅」とは、もち米や上新粉で作った楕円型のお餅に串を2本さして、トロッとした甘い砂糖醤油のタレをかけたものです。イメージとしては、みたらし団子に近いでしょうか。みたらし団子は串にさしてから焼きますが、ぢゃんぼ餅は焼いてから串にさします。ぢゃんぼ餅の方がよりねっとりとした食感で口どけがよく、1本食べ終わると次の2本目へすぐに手が伸びちゃいます。そして全く“ジャンボ”ではなく、直径3~4cmのむしろ一口サイズ。一皿に10本前後入っていても、ペロリと食べられちゃうんだとか。
ではなぜ「ぢゃんぼ餅」という名がついたのでしょうか。
実は、ぢゃんぼ餅は漢字で「両棒餅」と書きます。昔、武士たちの中でも上級の武士は、大小2本の刀をさしていました。これを「両棒(りゃんぼう)」と言っていたのが、訛って「ぢゃんぼ」になったそうです。ぢゃんぼ餅を2本の串でさしているのは、この上級の武士の刀を表現しているからだったのです。
いかがでしたか?初めてぢゃんぼ餅を知った方も多いと思いますが、面白いお菓子ですよね。鹿児島ではぢゃんぼ餅専門店も多く存在し、地元の人々や観光客で賑わっています。あまり日持ちしないので、ぜひ鹿児島で出来たてを召し上がってください!