九州の食べんといかんばい~熊本編~ 「デコポン」
農業が盛んな熊本県では、果物の栽培も多く行われています。その中でも、ポコッと出たおデコが特徴的な「デコポン」は、全国一の生産量を誇ります。
そもそも「デコポン」とは、熊本県果実農業協同組合連合会(JA熊本果実連)が商標登録したブランド名であり、正式な品種名は「不知火(しらぬい)」といいます。その不知火の中で、特定条件を満たしたものだけが「デコポン」と名乗ることができるのです。
その条件とは、「全国のJAを通して出荷する」「糖度13度以上、酸度1度以下」というもの。JAを通して出荷されても、検査基準をクリアできなかったものは不知火としてお店に並びます。いわばデコポンは、厳しい条件をクリアした“不知火の優等生”ということです。ちなみに、柑橘類の出荷基準に糖度が定められているのはデコポンだけ。そのため、デコポンはどれを選んでも確実に甘いというメリットがありますよ!
不知火は、1972年に「清見(きよみ)」と「ポンカン」の交配によって長崎県で誕生しました。当初は注目されず品種登録もされなかったのですが、育成地に近い熊本県宇城市不知火町で栽培が普及します。その後、味の良さとユニークな姿で人気を博し、1993年に「デコポン」と商標登録されました。正式名称の「不知火」は、栽培地の町名から付けられていたんですね。
デコポンはジョウノウ(内側の袋)が薄く、種もほとんどないので、皮をむいたらそのまま食べられます。また、ジョウノウにはペクチンという栄養素が多く含まれており、整腸作用に効果があります。果肉にも、ガン予防が期待されるβクリプトキサンチンや、風邪予防に効果があるビタミンCなど、デコポンには栄養がたっぷり詰まっているのです!
どれをとっても甘くて美味しいデコポンですが、持ったときにずっしりと重みがあるものを選ぶのがポイント。重いということは、それほど果汁が詰まっている証拠です。皆さんもデコポンを召し上がる際には、参考にしてみてくださいね。