北陸の食べてみられ~石川編~ 「治部煮」
治部煮(じぶに)とは、石川県金沢市の代表的な郷土料理です。元々は武家から庶民に至るまで、幅広く親しまれる料理だったのだとか。昔は冬の料理でしたが、現在では旬の素材を組み合わせ、一年を通して食べられるようになりました!
「治部煮」というちょっと不思議な名前の由来には様々な説があります。
①安土桃山時代、豊臣秀吉の兵糧奉行だった岡部治部右衛門が、朝鮮から持ち込んだことに因んだ説
②材料を『じぶじぶ』と煎りつけるようにして作ることから名付けられた説
③野生の鴨肉を使うため、フランス料理の“ジビエ(野生の鳥獣の料理)”から変化した説
しかしその真相は、未だ分かっていないのです…。
治部煮の作り方
そぎ切りした鴨肉(もしくは鶏肉)に小麦粉をまぶしたものと、金沢特産のすだれ麩や季節の野菜を、醤油・味醂・砂糖・酒で甘辛く調味しただし汁で煮ていただきます。小麦粉で肉をまぶして煮るのでとろみのある汁になり、椀に盛りつける時にはわさびを添えます。甘めに味付けされて煮こまれた具材にわさびの辛さがアクセントとなり、とろみに包まれたやわらかな鴨肉や野菜が楽しめるのです!
様々な説がある治部煮ですが、昔から金沢の人々に愛されてきたことに変わりはありません!兼六園の中でも食べられるので、金沢に行った時にはぜひ召し上がってみてくださいね!