九州の食べんといかんばい~福岡編~ 「辛子明太子」
白いご飯のお供にピッタリな「辛子明太子」は、言うまでもなく福岡・博多の名物ですよね!辛子明太子の原料は、タラ科の魚「スケトウダラ」の卵巣です。その卵を唐辛子や香辛調味液に漬け込んだものが辛子明太子です。
「辛子明太子」と名乗ることができるのは、“スケトウダラの卵巣を使用していること”が条件です。マダラなど他の魚の卵巣を使用している場合は、「明太子風」などと表示されているので注意してみてください。
明太子の起源は古く、17~18世紀頃の朝鮮半島に遡ります。実は、明太子のルーツは韓国なんです。当時の漁師たちが、スケトウダラは魚肉よりも卵の方が美味しいと、卵を取り出して塩辛などにして食べていました。キムチを思い浮かべていただければ分かるように、韓国では食材を唐辛子に漬け込む食文化があり、スケトウダラの卵も、同様に唐辛子に漬け込みはじめたのが辛子明太子の原型だといわれています。
戦後、朝鮮半島にはたくさんの日本人がいました。後に、福岡で辛子明太子を広めた老舗の創業者もその一人で、釜山に住んでいた子どもの頃から明太子をよく口にしていました。その後、日本に帰国し博多の中洲で商店を開業します。
韓国ではスケトウダラのことを「明太(ミョンテ)」と呼びます。釜山に住んでいた日本人の間で、これを「明太(めんたい)」と呼んだことから、「スケトウダラの子ども」という意味で「明太子(めんたいこ)」と、創業者が命名したそうです。
韓国の辛子明太子の味付けは日本人の口に合わず、最初は全く売れなかったのだとか。試行錯誤の連続で、軌道に乗るまで10年ほどの年月がかかったそうです。
今や福岡のみならず、全国で愛されている辛子明太子のルーツは韓国だったんですね。そして、辛子明太子の販売開始が1949年1月10日だったため、毎年1月10日は「明太子の日」なんだそうですよ!皆さんもご飯やお酒のお供に、ぜひ召し上がってみては?