九州の食べんといかんばい~鹿児島編~ 「かるかん/かるかん饅頭」
鹿児島のお土産として大人気の「かるかん」、皆様召し上がったことはありますか?ふわっふわの真っ白な生地が特徴で、口の中に入れると優しい食感に気持ちもほっこり。
勘違いをしている方も多いのですが、実は「かるかん」と「かるかん饅頭」は別物。「かるかん」は白い生地のみで、「かるかん饅頭」はその生地の中にあんこが入っているものになります。「かるかん」は棒状の四角いものが多く、「かるかん饅頭」は丸型がよく見られます。「かるかん」は切り分けた形が羊羹に似ていることから、漢字で「軽羹」と書き、その名の通り“軽い羊羹”のようなお菓子という意味で名付けられたといわれています。
かるかんの最大の特徴である、真っ白の生地は何からできているのでしょうか?実は、自然薯(山芋)なんです!材料は他に、砂糖、卵白、かるかん粉(米粉)というシンプルさ。全て白い材料を使うことで、このような白い生地になるんですね。そして他にはないふわふわな食感も、自然薯が使用されていることで納得です。
1686年~1715年ごろに、かるかんは誕生したといわれています。土壌に恵まれた鹿児島では自然薯がよく育ちました。当時高級品だった砂糖も、中国から伝わった砂糖の製造をいち早く始めた琉球(沖縄)が近いこともあり入手しやすく、自然薯と砂糖を使ったかるかんが誕生したのです。
1715年当時、殿様の食卓にも「軽羹」という献立の記録が残っています。他にも、接待や婚礼、年始、賀儀などの特別な日によく食べられていたそうです。このように、かるかんは薩摩藩には欠くことのできない、格式の高いお菓子として扱われていました。
材料に使われている自然薯は滋養強壮に効果があり、免疫力アップや疲労回復の効果が期待できます。実は自然薯の旬は秋から冬にかけて。1年を通して食べられるかるかんですが、この旬の時期を狙って食べる“かるかんファン”もいるほどです。300年以上も愛されているかるかん、皆様も是非、旬のうちに召し上がってみてはいかがでしょうか。