九州の食べんといかんばい~宮崎編~ 「イセエビ」
あまり知られていませんが、実は宮崎県は「イセエビ」の漁獲量が全国上位!日向灘の荒波にもまれ黒潮の恵みをたっぷりと受けたイセエビは、大ぶりで身がぎゅっと締まっているのに柔らかく、プリッとした歯応えがたまりません!
結婚式や特別な日に食べるイメージがありますが、旬を迎える9~11月には県内の料理店がイセエビ料理を提供したり、各地でイベントやフェアが行われます。
宮崎でイセエビ漁が解禁されるのは、まだまだ夏の残暑が厳しい9月。母親となるイセエビ(抱卵エビ)が夏場に産卵を迎えるため、4~8月を禁漁期間とする事で資源を守っています。
漁獲の方法は、磯建網(いそたてあみ)という漁具を10時間ほど置き、そこに絡まったイセエビを引き上げます。イセエビは殻ごと料理に出される事が多いため、見た目が大変重要です。傷がついてしまうと値段が落ちるので、獲れたイセエビは手作業で網から外していきます。
体長は平均20~30cmほどですが、なかには40cmを超える大物もいます。形や大きさの見た目が重視されるイセエビなので、大きいものに高い値段がつきそうですが、そうとは限らないのだとか。料理に使用しやすいのは200~300gくらいのサイズで、平均値のイセエビが需要は多いようです。
ちなみに、大きくなりすぎると味が落ちると考えられており、具体的には800gを超えたあたりから味が大味になる傾向があるそうです。
イセエビは、「腰を曲げた髭の長い老人」のように見える事から、“長寿のシンボル”として縁起物としても重宝されています。新鮮な刺身はもちろん、蒸し、焼きなど様々な調理法で楽しめるのも嬉しいですよね。殻からも贅沢な旨味がたっぷり出るので、殻で出汁をとった味噌汁を味わうのも忘れずに。