関西の食べなあかんやん~和歌山編~ 「高野豆腐」
全国のスーパーで購入できる「高野豆腐」。なぜ「高野」と名前に付くかご存知ですか?「高野」といえば「高野山」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。「高野豆腐」と「高野山」の関係性についてご紹介します!
鎌倉時代、高野山の修行僧が外に豆腐を置いたまま忘れて、一晩放置してしまいました。季節は真冬だったので、翌朝に修行僧が思い出したときには既に豆腐はカチンコチンに固まっています。ところがそれを水でも戻して食べたところ、面白い食感と味に驚きました。しかも、凍らせることで日持ちもするようになったことから、それ以来、高野山では豆腐を凍らせて長期保存し、精進料理に用いるようになったといいます。そして江戸時代になると、高野山を訪れた旅人が高野豆腐を高野山の土産として持ち帰るようになり、一気に各地に広まりました。その結果、「高野山で作られた豆腐」が次第に「高野豆腐」と呼ばれるようになったというわけです。
「高野豆腐」は、豆腐を凍らせた後に低温熟成し、乾燥させてできる保存食品です。食べるときは水で戻し、出汁などに入れて煮込みます。日本農林規格(JAS)での正式名称は「凍り豆腐」と言いますが、それは豆腐を凍らせて保存食としていた他地域での呼び名なんです。凍り豆腐は文字通り豆腐を凍らせて作るため、寒い地方で作られていた伝統食です。その産地であった甲信越地方・東北地方・北海道などでは、凍み豆腐・凍り豆腐・氷豆腐などと呼ばれていました。
豆腐の栄養分がぎゅっと凝縮した高野豆腐。カルシウム・リン・ミネラルなどが特に豊富に含まれています。しかも高野豆腐には、肉や魚と比べても2~3倍のアミノ酸が含まれているので、筋肉がつきやすくなったり、スタミナを持続させたりする効果が期待できます。また、歯ごたえがあるので、しっかりと噛めて食べごたえも十分!献立のメインにもぴったりな食材なんです。
スポーツの秋、美味しくて健康にも嬉しい「高野豆腐」を食べて、内側からも元気な体づくりをしませんか!