九州の食べんといかんばい~鹿児島編~ 「キビナゴ」
「キビナゴ」とは、体長8cmほどのニシン科の小魚の事です。大群で押し寄せ泳ぐ姿が、キラキラと輝いて美しいため、“波のしずく”や“海の宝石”とも謳われます。
キビナゴの旬は産卵期を迎える春から初夏頃なのですが、冬の始まりのキビナゴも身が引き締まっており、旬のものとは一味違った美味しさを楽しめます。つまりキビナゴは、1年を通しどの季節に食べても美味しい魚なのです。
最大の特徴でもある、キビナゴの美しい銀色のしま模様。鹿児島では「帯」の事を「キビ」と言うそうで、このしま模様が帯のように見える事から、「キビ(帯)ナゴ(小さい魚)」という名前になったという説があります。
唐揚げや天ぷら、煮付けなど様々な食べ方がありますが、刺身で食べられるのは鹿児島だけです。なぜなら、キビナゴはとてもデリケート。きれいな海でしか生きていけず、神経質で環境の変化にも順応できません。設備の整った水族館でも、長期飼育に成功した例はないのだとか!そして鮮度の劣化も早いため、とても傷みやすい魚です。新鮮なうちに食べられる、漁獲量の多い鹿児島ならではの贅沢な食べ方なのです。ちなみに、醤油ではなく酢味噌をつけて食べるのが鹿児島流です!
魚釣りのエサとしても利用されてきたキビナゴですが、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれており栄養抜群!どちらもコレステロールを減少させたり、血液をサラサラにするなどの生活習慣予防が期待でき、近年は健康食材としても注目されています。
美味しくて体にも良いキビナゴ。鹿児島に行かれた際は、ぜひ新鮮な刺身で召し上がってみてください!