関西の食べなあかんやん~奈良編~ 「柿」
秋の果物「柿」が美味しい季節になってきましたね。様々な種類の柿が店頭に並び、出盛りとなる旬の時期は10月~12月頃と言われています。
「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」と正岡子規が詠んだ有名な句からも分かる通り、奈良県は昔から柿と縁深い土地です。昔から「御所柿」を始め様々な柿が栽培されてきました。栽培面積は全国で第3位、収穫量も全国で第2位を誇っています。「刀根早生(とねわせ)」の発祥の地としても有名ですね。
日本に柿が伝わったのは弥生時代と言われていますが、奈良では大和朝廷の時代から柿の栽培がおこなわれていたようです。文献によれば平安時代には干し柿の存在も確認できるそう。そんなにも昔から日本人に親しまれてきた果物なんですね。
実は、「柿が赤くなれば医者が青くなる」と言われるほど柿は栄養価がとても高い果物なんです!ビタミンC、ビタミンA、カロテン、カリウムだけでなく、食物繊維やタンニンなども豊富に含まれています。特にビタミンCは果物のなかでもトップクラスの含有量を誇ります!実はオレンジやイチゴよりも多く含まれており、大きいものなら1個で1日の摂取基準量を摂取できるほど。食物繊維も実に豊富で、グレープフルーツの2倍以上と言われています。柿100gあたり約1.6gもの食物繊維を含んでいるんですよ。
柿と言えば、干し柿も忘れてはいけません。干し柿には、そのままでは食べられない渋柿を用いますが、乾燥させることによって渋みがなくなり、甘みが強く感じられるようになります。また、食物繊維やβ-カロテンも増加するんですよ。
干し柿は乾燥の程度によって呼び名が変わります。水分含量50%程度なら「あんぽ柿」、25~30%程度なら「枯露柿(ころがき)」と言います。枯露柿にふいている白い粉は、柿に含まれるブドウ糖などの糖分が表面で結晶化したもの。全体を粉が覆った干し柿を作るためには伝統の技術が必要で、真っ白な粉が一面にふいたものほど高級とされています。美容にも健康にも嬉しい干し柿ですが、水分が抜けて栄養が凝縮される分、カロリーや糖質も高くなるので、食べすぎにはご注意ください。
季節の変わり目は体調を崩しやすいもの。栄養たっぷりの奈良産「柿」を食べて、健康に過ごしましょう!