九州の食べんといかんばい~熊本編~ 「太平燕」
熊本県に「太平燕(タイピーエン)」という郷土料理があるのをご存知ですか?おそらく県外のほとんどの方が、初めて耳にした料理名だと思います。
太平燕とは、鶏ガラスープに春雨の麺、海鮮や豚肉、揚げ玉子とたっぷりの野菜が入った麺料理です。熊本ではとてもポピュラーな料理で、県内の中華料理店やラーメン店はもちろん、なんと給食にも登場するほど親しまれてきた料理です。
ルーツは中国から。福建省に同じ名前の「太平燕」という料理があったのですが、それはアヒルのゆで玉子を入れたスープワンタンのような料理でした。1910年頃、熊本に渡ってきた中国の人々が、中華料理店を営んでいた際のまかないから広まったのではないかといわれています。しかし日本でアヒルの卵は手に入りにくいため、代わりに鶏の卵を使用し、「扁肉燕(ビュンニュッイェン)」と呼ばれるワンタン用の皮の代わりに春雨を使用して、今の形になったと考えられています。
小麦粉を原料とした中華麺ではなく春雨を使用しているため、太平燕はとてもヘルシー!春雨はデンプンから作られるので、主な栄養素は炭水化物とミネラル類です。カロリーは10gあたり35kcal程度と、さほど低カロリーではないのですが、水分を含むと約4倍に膨らむため、少量でも満腹感が得られるのが良いところ!また、春雨には熱を体外に逃がす効果があるため、風邪をひいた時などの発熱時にもオススメな食材です。
熊本で長く愛されてきた太平燕。最近ではインスタント商品も出ているそうで、お店だけでなく家庭でも食べられているようです。ヘルシーかつ栄養バランスも素晴らしい太平燕を、私達も味わってみたいですね!