九州の食べんといかんばい~佐賀編~ 「嬉野茶」
「日本三大美肌の湯」と謳われる佐賀県の嬉野温泉。そんな嬉野市で生産されている「嬉野茶」という日本茶があります。
「嬉野茶」は、日本茶の中では珍しい独特の丸みを帯びた茶葉の形状から、「玉緑茶(たまりょくちゃ)」、もしくは「グリ茶」(グリグリと丸いため)とも呼ばれています。1枚1枚が丸く、緑色の艶がとても深い茶葉です。香りが強く、味はサッパリとしているのにコクがあり、食事中や食後にゴクゴクと飲めるお茶です。また、茶葉が丸いため急須の中でゆっくりと開きながら旨みを抽出してくれ、淹れる度に味や香りの移り変わりを楽しめるのが特徴です。
嬉野茶は1440年(永享12年)に、現在の中国大陸から移住した唐人が陶器を焼く技術とともに、自家用の茶樹の栽培を伝えたといわれています。その後1651年に、佐賀初代藩主に仕えていた吉村新兵衛(よしむらしんべえ)が、自らの土地である嬉野町不動山の山林を切り開き、茶種を蒔いて栽培を始めました。栽培とともに南京釜の製法を改良し近隣に広めるなど、茶業の振興に努めた事が嬉野茶のはじまりといわれています。
現在、吉村新兵衛が蒔いた茶樹と伝えられる大茶樹が、不動山の皿屋谷に残っています。樹齢は350年以上と推定され、これほど大きな茶樹は世界的にも珍しく、大正15年に国の天然記念物に指定されています。
お茶は昔から「不老長寿の妙薬」と言われるほど、体に嬉しい効能ばかり!カフェインで判断力・記憶力が高まって脳の働きを良くし、疲労回復、虫歯予防、ビタミンCによる美容効果などなど、昔の人が「薬」として扱っていたのも納得ですね。慌ただしい毎日を過ごしている方もそうでない方も、嬉野茶でほっと一息つきませんか♪