関西の食べなあかんやん~京都編~ 「鱧料理」
夏の京都といえば「鱧料理」が欠かせません。鱧は夏に向かうにつれどんどん脂がのっていき、秋の終わり頃まで楽しむことができる魚です。京都の夏の風物詩“祇園祭”は、またの名を“鱧祭”と言います。それだけ京都の夏と鱧は密接な関係なんですね。
鱧というと、小骨が多く食べにくいイメージがあるかもしれません。そのために、骨切りという特殊な調理法が存在するのはご存知ですか?鱧切り包丁という専用の包丁で、約3センチにつき26切れ包丁の目を入れるという手法です。これができれば京の料理人として一人前と言われるほどで、板前の腕の見せ所だとも言われています。
昔、行商人は海水を入れたつづらに生きた魚を入れて売り歩いていましたが、夏になるとあまりの暑さに多くの魚が運搬中に死んでしまいます。そのため、内陸部に位置する京都で鮮度のいい魚を手に入れるのは、かなり困難なことでした。しかし、生命力の高い鱧だけは生きたまま京都まで運ぶことができたそう。そういった理由から、鱧は夏の京都を代表する味覚になったと言われています。『梅雨の雨水を飲んで鱧は美味しくなる』という言葉もある通り、鱧は今がまさに旬!定番の酢みそや梅肉と一緒にさっぱりといただく鱧の湯引きや鱧寿司、鱧しゃぶ、鱧ちり、鱧の蒸し焼き、鱧のにこごり…様々な料理で、旬の鱧を心ゆくまで味わってください。