日本人の食卓に欠かせない「醤油」。実は5つも種類があるってご存知ですか?「濃口醤油」「薄口醤油」「たまり醤油」「さいしこみ醤油」「しろ醤油」と大きく分けてこんなにあるんです。今回は特に馴染みの深い「濃口醤油」と「薄口醤油」の違いについて見ていきましょう!
濃口醤油 | 薄口醤油 | |
---|---|---|
色 | 濃い | 薄い |
塩分 | 16% | 18%~19% |
カロリー | 約13kcal(大さじ1) | 約10kcal(大さじ1) |
特徴 | 香りとコクがしっかりしており、オールマイティに使える | 香りやコクが比較的軽めなので、透明感のある料理に適している |
原材料 | 大豆・小麦・塩 | 大豆・小麦・塩・米 |
発祥地 | 関東地方 | 関西地方 |
国内生産量 | 80%以上 | 13%前後 |
適した料理 | 出来上がりの色にこだわらない料理(煮物、焼き物、出汁、タレなど) | 色をきれいに仕上げたい料理(お吸い物、うどんつゆ、野菜の煮物、茶碗蒸しなど) |
「名前が違うだけで同じお醤油でしょ」なんて思っていませんか?実はこんなにも違いがあるんです!この二つのお醤油で色が違う理由は、製造の過程において発酵を抑えているかどうかという点によります。薄口醤油は濃口醤油に比べて発酵を抑えて作られているので、色も香りも薄くなっているというわけ。ちなみに醤油は発酵を抑えると変質しやすくなる性質があるので、それを抑制するために塩分も薄口醤油の方が多めなんですよ。また、国内生産量を見ても分かる通り、レシピなどで「醤油」とある場合は一般的に濃口醤油を指すことがほとんどです。
>>>濃口醤油とは
基本的にどんな料理にも使える醤油が濃口醤油です。今では日本全国で使用され、最もスタンダードな醤油となっていますが、元々は主に関東地方で発達してきた醤油です。なぜかというと、関東地方では土壌や海流などの関係で味の濃い食材が多く獲れ、その泥臭さや生臭さを消すために味付けが濃くなったそうです。例えば、関東のうどんつゆは濃い色をしていますが、これは濃口醤油を使っているからなんですね。
>>>薄口醤油とは
江戸時代に関西で生まれ、現在でも主に西日本を中心に使われているのが薄口醤油です。関東地方とは逆で、関西地方ではさっぱりとした味の食材が多かったため、素材の色や風味を生かすために薄口の醤油が重宝されました。関西のすまし汁やうどんのつゆの色が透き通った色であるのは、関東と違って薄口醤油を使っているからという理由もあるんですよ。
>>>薄口醤油を濃口醤油で代用できる?
料理に薄口醤油が必要なのに、家には濃口醤油しかない!そんなときは、濃口醤油で薄口醤油を代用できます。濃口醤油に水を加え、塩を加えてみてください。完全な薄口醤油にするまではできませんが、濃口醤油をそのまま使うよりは素材の色や風味に影響を与えず、調理をすることができるはずです。
>>>まとめ
その土地や料理に適した状態で生まれ、発展してきた「濃口醤油」と「薄口醤油」。料理ごとに使い分ければ、見た目の美しさは勿論、味の深みも全然違うものになります。醤油の味をメインに置くのか、素材の風味を生かすのか。これを判断基準にして、濃口醤油と薄口醤油の違いを知った上で料理を作ってみてはいかがでしょうか♪