九州の食べんといかんばい~福岡編~ 「水炊き」
福岡の鍋料理といえば、「もつ鍋」と同じくらい人気を誇るのが「水炊き」ですよね。その名の通り、骨付き鶏肉を“水から”煮込み、ネギやお好みの野菜を入れる鍋なので、「水炊き」と名付けられました。
日本発祥の料理と思われがちですが、実は中国料理と西洋料理がヒントになっています。
福岡で1905年から続く水炊き老舗店の創始者が、15才の時に香港へ渡り、英国人の家庭に住み込んで洋食の勉強をしたそうです。帰国後、そこで学んだ西洋料理のコンソメと、中国料理の鶏の水煮をスープ仕立てにアレンジして、福岡で水炊き専門店として看板を立ち上げたのが始まりだといわれています。
別名「博多煮」とも呼ばれる水炊きは、たちまち博多から全国に広まっていきました。
鶏肉、野菜、豆腐というシンプルな材料のため、家庭でも簡単に作れそうですが、やはり専門店の味は全く違います。
多くのお店では、まず、スープだけが注がれた湯のみが出されます。驚くほど鶏肉のうま味が凝縮されたそのスープを飲んだ瞬間から、間違いなく水炊きの世界に引き込まれます。その後、鶏肉や野菜を煮込んで、ポン酢につけて頂きます。鶏肉の別の部位や野菜が入る事によって、最初に飲んだ時とはまた違うスープを、食べている間も湯のみに注いで味わってみてください。
そして締めにはなんといっても雑炊!絶品スープを、余す事なく最後の一滴まで味わえる締めです。
ほとんどの水炊き専門店では、具材を鍋に入れるのも、火加減や締めの雑炊を作ってくれるのも、全て仲居さんが行ってくれます。最も美味しい食べ方や食べ頃まで教えてくれるので、普段鍋奉行を買って出る人も、大人しく仲居さんに任せましょう!観光客だけで訪れても、戸惑う事がないので安心ですよ♪