関西の食べなあかんやん~和歌山編~ 「めはり寿司」
「めはり寿司」とは、おにぎりを塩漬けした高菜の葉で包んだ熊野地方の郷土料理の一つです。山仕事や畑仕事の合間にでも、短時間で食べられる弁当として作られたものが元になっています。当時は片手では持てないほどの大きさだったとも言われていて、食べるときに大きく口を開かなければ食べられないほどだったそう。口を開けるときに自然と目まで見開いてしまったことから、「目張り寿司=めはり寿司」と呼ばれるようになったという説があります。
ころんとしたかわいらしい見た目と、シンプルながら飽きのこない奥深い味わいで、現地の人だけではなく観光客にも大人気です。近代日本の文豪、佐藤春夫の「故郷のうまいものは、1に“めはり”、2に“さんま”」という言葉でも、めはり寿司は有名かもしれません。
めはり寿司は自宅でも簡単につくることができるんです。まず、高菜の漬物をさっと水洗いし、茎と葉に切り分けます。葉に醤油とみりんを合わせたもので軽く揉んで味をなじませ、その間に茎をみじん切りに。刻んだ茎を具にしておにぎりを作り、味が染み込んだ高菜の葉で包めば完成!具には鰹節や刻んだたくあん、ゴマ、ちりめんじゃこ、梅干しなどを入れても美味しいんですよ。めはり寿司をパクッと頬張れば、高菜の香りが鼻に抜けるほど広がります。
高菜の酸味と塩気に包まれたご飯、歯ごたえ抜群のシャキシャキとした高菜の茎。口の中で一つに合わさって、これが最高にウマイ!日本人が大好きな味です。作り置きもできて夜食やお弁当にもぴったりの「めはり寿司」、あなたのレパートリーにも加えてみてください!