関西の食べなあかんやん~京都編~ 「くずきり」
夏の風物詩でもある「くずきり」が、京都の祇園で生まれた甘味であることはご存知ですか?作られたのは昭和の始め頃、実は比較的新しく生まれた食べ物なんです。
くずきりとは、吉野本葛粉を水で溶かして型に入れ、加熱して固めたものを細長く切った食べ物を指します。よく似た食材に寒天やところてんがありますが、くずきりとは全くの別物。なぜなら、原材料が全然違うんです。寒天とところてんはテングサという海藻から作られたもの。くずきりは、葛の根を粉にしたものから作られています。そしてこの葛粉、実は漢方にも使われているほど体にいい食材なんです(ちなみに葛根湯がそれに当たります)。体を温めて血行を良くする作用や、発汗・解熱作用、胃腸の調子を整える作用もあるそう。涼を取りたいときだけではなく、夏風邪のときにもぜひ食べたい食材ですね。
最近は抹茶味やフルーツ味などバリエーションも増えてきています。一番オーソドックスなのは、冷やしたくずきりに黒糖でできた黒蜜をかける食べ方でしょう。ツルツルッとした喉越し、しっかりとした歯ごたえは本場の吉野葛ならでは。さっぱりとしたくずきりの味に、上品な甘さの黒蜜がぴったりと合います。余韻を残しつつもしつこくない甘さは、まさに絶品です。夏の熱い日に一口食べれば、すっとした清涼感が味わえます。一度食べれば二度と忘れられない味になるはず。この夏は、京の涼「くずきり」に舌鼓を打ってみませんか。
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