九州の食べんといかんばい~熊本編~ 「からし蓮根」
シャキシャキとした蓮根の食感と、ツンと鼻に抜けるからし味噌の香り。主にお酒のアテとして熊本県民に愛されている「からし蓮根」の誕生は、今から約400年前にさかのぼります。
初代熊本藩主の細川忠利公は、病弱でなかなか食が進みませんでした。見かねた周りの人々が、何か栄養のあるものをと豪華な料理を並べますが、忠利公は口にしません。
そんな時、当時沼地が多かった熊本で繁茂していた蓮根に増血効能がある事を知り、忠利公に食べさせる事にしました。
しかし忠利公は、「蓮根は泥の中で育った不浄なもの」と口をつけません。そこで、からしと味噌を混ぜ合わせたものを蓮根の穴に詰めて油で揚げ、忠利公の食事に出してみました。
すると、ピリッとした辛さとキツネ色の衣に食指を動かされ、忠利公の食欲はみるみる増したのです。
その後、輪切りにしたからし蓮根の切り口が、細川家の家紋の“九曜紋(くようもん)”に似ている事から、明治維新まで門外不出の秘伝料理とされました。
一般家庭に伝わるようになったのは、明治時代に入ってからと言われています。
長い歴史のあるからし蓮根ですが、最近では様々なアレンジレシピが増えているようです。
余ったからし蓮根を刻んでチャーハンの具材にしたり、マスタードに近いからしはパンとも相性が良く、からし蓮根をレタスやトマトと一緒にはさんで、サンドイッチにしても美味しいのだとか。
自分でアレンジレシピを考えてみるのも楽しそうですね!
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