九州の食べんといかんばい~宮崎編~ 「チキン南蛮」
子どもから大人まで皆大好き「チキン南蛮」!今や全国で食べられるグルメですが、発祥は宮崎県。チキン南蛮といえば、たっぷり乗ったタルタルソースを想像する方も多いと思いますが、元々タルタルソースはかかっていなかったんです!
2人のシェフ
1950年代に宮崎県北部・延岡市の洋食店で、同時期に修業していた2人の料理人がいました。その洋食店のまかないで出されていたのが、揚げた鶏むね肉に南蛮酢をかけた「チキン南蛮」。
その後、2人はそれぞれ独立を果たしますが、それぞれがまかないで出されていたチキン南蛮をヒントにオリジナルメニューを考案します。
1人は、サクサクに揚げた鶏肉にしっかり味の甘酢をさっとからませるスタイル。甘酢の爽やかな柑橘系の香りが食欲をそそり、サクッとした鶏肉の食感によく合います。ヒントにしたまかないと同じく、甘酢のみがかかったチキン南蛮です。
そしてもう1人が初めてチキン南蛮にタルタルソースをかけた元祖になります。こってり濃厚で甘みが強く酸味もあり、さらに野菜や卵の存在感も感じる完全オリジナルのタルタルソース。形になるまで長い年月をかけて誕生したそうです。
店も軌道に乗り県外への出店も果たすと、チキン南蛮も全国に広まっていきました。“チキン南蛮=タルタルソースがかかったもの”と浸透した理由はこれだったのです。
まさかチキン南蛮が最初はまかないから誕生していたとはびっくりですね。宮崎県では食卓にチキン南蛮が並ぶ事も多いですが、各家庭によって驚くほど味は様々。まさに宮崎県民の“おふくろの味”ではないでしょうか。
このようにチキン南蛮が宮崎に根付いた背景には、2人の料理人の歴史と努力があったのです。
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