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最終更新日 2019年12月12日
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ひさのわたるの飲食業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。
ご了承ください。

今回のご相談内容

経験者や店長候補の中途入社にも試用期間を適用できるか

 私は、前職でチェーン飲食店の店長に就いていました。その経験を買われて、新店オープンを予定している別の飲食企業に、店長候補として転職が決まりました。気になるのは、採用後3ヶ月間は、試用期間と扱われることです。私のイメージでは、試用期間とは仕事がきちんと覚えられるまでの見習期間のことなのですが、経験者で店長候補に就いても、試用期間を設けることができるのですか。また、試用期間中は解雇されやすくなるということですか。
【36才 男性】

 結論としては、中途採用者、経験者、管理職候補者等に対しても、試用期間を適用すること自体は違法ではありません。

 試用期間の意義は、「会社の従業員としての適格性を判断するために、人物、能力等を観察する期間」とされています。確かに、新卒採用や未経験者を採用した際に、「本当にこの仕事に向いているのか否か」を判断するために、「見習期間」として位置づけられる期間も、試用期間と呼ばれます。しかし、「従業員としての適格性」は、何も未経験者だけに求められるものではありません。経験者として採用されても、本当に会社が求める能力が備わっているのか、管理職・幹部候補として採用されても、本当にその職責が果たせる人物なのか、実際の働きっぷりを見て判断したいと会社が考えることは不思議ではありません。また、中途採用者等に試用期間を適用してはならないといった明文化された法律もありません。したがって、試用期間を設定した労働契約を締結するのは、会社と応募者の当事者間の自由ということになります。

 また、試用期間中の観察の結果、「適格性無し」と判断されると、会社は本採用を拒否することができます。そのため、試用期間中は、法的には「解約権留保付き労働契約」と表現されます。解約権とは、労働契約を会社側が解約することを意味しますので、本採用拒否は解雇の一種ということになります。つまり、試用期間とは、「解雇する権利を留めた状態の労働契約」というわけです。本採用拒否の理由はさまざまですが、一般的には能力不足による本採用拒否は難しいとされています。なぜなら、会社の側が試用期間中にきちんと指導・教育したのかが問われるからです。しかし、それは未経験者についての話です。経歴や職歴を評価されて 採用された者は、それだけの即戦力を期待されて迎えられます。その期待に応えられない場合には、一般の従業員より解雇が認められやすくなる可能性があります。

イラスト

2012年 11月01日 掲載

>>前回までのご相談内容

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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