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最終更新日 2020年01月23日
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ひさのわたるの飲食業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。
ご了承ください。

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今回のご相談内容

労働基準法の育児時間は、なぜ女性労働者だけ対象か

 お店にある就業規則を見ていて気づいたのですが、「育児休業」は男女かかわらず取得できるのに、「育児時間」は女性従業員しか取得できないことになっています。これはどうしてですか。
【34才 男性】

 一言で言えば、それぞれの規定を根拠とする法律の作られた趣旨が異なるからということになります。

 「育児休業」は、育児介護休業法という法律にもとづいて、取得することができます。この法律は、仕事と家庭の両立支援を図ることを目的として作られました。育児介護休業法において、子を養育しながら働く労働者への支援制度として、育児休業のほかにも、所定労働時間の短縮、所定外労働・法定時間外労働・深夜労働の制限、子の看護休暇等の制度が定められています。これらの制度は、男性労働者も女性労働者も変わらず、権利を行使することができます。

 一方、「育児時間」は、労働基準法67条に定められている制度です。その内容は、生後満1年に達しない生児を育てる女性は、休憩時間のほかに、1日2回、各30分の生児を育てるための時間を請求することができるというものです。1日の労働時間が4時間以内の場合は、1日1回、30分だけでもよいことになっています。育児時間中を有給とするか無給とするかは、当事者間(労働者と使用者の間)の取り決めにより、自由とされています。また、育児時間は、労働時間の途中でなくても、勤務の始めや終わりに取ってもよく、また1回にまとめて60分で取ることも認められています。

 実は、もともと育児時間の制度趣旨は、授乳のための時間を確保することにありました。そのため、対象は女性労働者に限られているのです。しかし、条文にある「生児を育てるための時間」とは、授乳に限らず、その他の世話のための時間(たとえば、保育所への送り迎えなど)を含むと解釈されています。そのため、育児時間は男性労働者も対象にするべきであるという主張もあります。

 就業規則は、なんとなく作成したというお店も少なくないでしょう。しかし、制度趣旨まで立ち返ると、それぞれの条項に意味があることに気づくこともあるものです。

イラスト

2016年 04月07日 掲載

>>前回までのご相談内容

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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