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最終更新日 2019年03月22日

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フードサービス業界の労務相談

「試用期間中は時給制、試用期間満了後は月給制は問題か」

質問1

Q.

 ハローワークの求人で、正社員として採用されました。ところが、採用後に知らされたのですが、試用期間中は時給制のアルバイト扱いになるとのことでした。試用期間があることやその期間は求人票に記載されていたものの、試用期間中の労働条件が異なるとは聞いていませんでした。これは法律上問題ないのですか。
【27才 男性】
答え

A.

 試用期間中は時給制で試用期間満了後は月給制に変わるとか、その前後で業務内容が変わるとか自体は違法ではありません。しかし、そのような取扱いをするためには、募集時に明示が必要です。
 お店の側は、ハローワークや求人情報誌等へ求人申込をしたり、自社のWEBサイト等で労働者の募集をしたりする場合、職業安定法で定められる事項にかかる労働条件を明示しなければなりません(職安法5条の3)。
 この明示事項の一つとして、「試みの使用期間(=試用期間)に関する事項」が、2018年1月施行の法改正により追加されました(職安則4条の2第3項)。具体的には、「試用期間の有無」「試用期間があるときはその期間」について明示が必要となりました。
 そして、試用期間中と試用期間満了後の労働条件が異なる場合は、それぞれの労働条件を明示しなければなりません(同条第6項)。 ここでいう労働条件とは、「従事すべき業務の内容及び賃金労働時間その他の労働条件」とされています。また、ここでいう「賃金」とは、賃金形態(月給、日給、時給等の区分)、基本給、定期的に支払われる手当、通勤手当、昇給に関する事項等」とされています。
 なお、ご質問のケースとは異なりますが、無期労働契約の前に有期労働契約を締結しようとする場合、その有期労働契約が試用期間の性質を有するものであっても、試用期間満了後の労働条件ではなく、試用期間中の労働条件を明示すること、と示されています(指針第3)。
 では、ご質問のケースを検討してみましょう。まず、求人票に試用期間があることとその期間が明示されていたという点では、お店の側に問題は無かったことになります。しかし、試用期間中と試用期間満了後で、賃金形態が時間給制から月給制に変更になることや、試用期間中はアルバイトとしての業務内容になることについて明示していなかった点については、職業安定法違反となります。
 また、職業安定法の問題とは別に、就業規則において試用期間中は時給制になることを記載していなくて、月給制のことしか記載していないとすると、時給計算による賃金の支払は許されません。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 「試用期間中は時給制アルバイト」としている飲食店は結構多いものです。そのこと自体は違法ではありません。しかし、募集時の明示や就業規則の整備をしておかないとトラブルの元となってしまいますので、注意が必要です。
グルメキャリー364号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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