最終更新日 2019年03月22日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「管理監督者には、出社・退社の自由がなければならないか」

質問1

Q.

 店長から昇進し、複数店舗を管理する「エリアマネージャー」になりました。その際、上司からは、「管理監督者として扱われるようになるので、残業代は出なくなる」と説明を受けました。ところで、管理監督者について調べてみると、条件の一つに「出社・退社の自由があること」というものを見つけました。これは、出社・退社は好き勝手に決めることができる、例えば、出社してから30分だけ働いて退社しても許されるということでしょうか。
【36才 男性】
答え

A.

 確かに、管理監督者の判断要素の一つとして、出退勤や労働時間に関する「勤務態様」も挙げられています。しかし、「出社・退社が自由」というのは、よくある誤解です。
 「管理監督者」とは、労働基準法に定められている労働時間・休憩・休日に関する法規制の適用を除外されている労働者のことです(41条2号)。労働時間や休日の法規制から除外されているということは、法定時間外労働や法定休日労働に関する割増賃金(残業手当、休日手当)も必要ないということです。(ただし、深夜労働に関しては適用除外になっていないので、深夜労働に対しては、割増賃金が必要です)
 使用者(お店・会社の側)にとって、残業手当や休日手当の支払が不要ということは、それだけ「管理監督者」と認められるためには厳格な判断基準をクリアしなければならないということです。その判断基準は、大きく分けて次の3つがあります。
(1)経営者と一体的な立場で仕事をしている
(2)出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない
(3)その地位にふさわしい待遇がなされている
 このうち、(2)の「出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない」が、いつの間にか一人歩きして「出社・退社の自由がある」「勤務時間に自由裁量がある」といった働き方をイメージされることがあります。しかし、それはよくある誤解です。ましてや「出社・退社は好き勝手に決められる」というわけではありません。
 (2)の本来の趣旨は、管理監督者は経営者と一体的に仕事をする立場であり、その重要性や特殊性から労働時間の制限を受けないということです。必要があれば早く出社することや遅く退社することもあるでしょうし、逆にそうでないときには遅く出社、早く退社するという判断も許されるということです。賃金と労働時間がリンクしていない働き方と言ってもいいでしょう。決して、「やるべき仕事があるのに、その責任を放っぽって、勝手に早く帰っていい」というわけではないのです。
 また、平成20年には、多店舗(チェーン)展開する小売業・飲食業等の店舗における管理監督者の判断についての行政通達が示されています(平20・9・9基発第0909001号)。この行政通達の中で、「勤務態様」について、「実際には労働時間に関する裁量がほとんどない」場合には、管理監督者性を否定する補強要素として挙げられています。ここで言う「裁量」とは、先述のように、業務遂行に関し、自己の管理にもとづいて、出社・退社を決定することと捉えるべきでしょう。
 なお、遅刻・早退等に対して、使用者が賃金カットしたり、人事査定を下げたりする場合、管理監督者と認められない可能性が高くなることには注意が必要です。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 かつて、ファストフード店の店長が管理監督者として認定されず、会社に多額の残業代を支払うよう命じた裁判例がありました。その判決が注目されて以来、会社側が管理監督者として扱うことに慎重になっているようです。しかし、本文のとおり、「出社・退社の自由」については拡大解釈されている風潮があります。必要以上に萎縮することなく、正しい判断をしてください。
グルメキャリー344号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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