最終更新日 2019年03月22日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「職場で宗教活動をする同僚への対応」

質問1

Q.

 同僚が宗教勧誘をしてきて困っています。仕事中、休憩時間中、終業後を問わず、しつこく勧誘してきます。職場でそんな話はやめてくれと言っても、本人は「オレには信教の自由があるんだ」と言って聞く耳をもちません。
【28才 男性】
答え

A.

 確かに、信教の自由は憲法で保障されています。しかし、だからといって職場において勧誘活動をやり放題というわけではありません。
 まず、就業時間中について、労働者には職務に専念しなければならないという、職務専念義務があります。宗教活動は職務とは無関係な私的行為なのですから、許されるものではありません。それだけでなく、勧誘されたほかの従業員の業務遂行を妨害していることにもなります。
 では、休憩時間中なら認められるのでしょうか。労働基準法には、休憩時間は自由に利用させなければならないという、「自由利用の原則」が定められています(34条3項)。しかし、自由に利用できるといっても、なんでも好き勝手にやって良いわけではありません。使用者(お店の側)は、施設管理の必要および職場規律の維持の必要に基づいて合理的な制約を課すことができます。また、勧誘されたほかの従業員にとっての、自由利用を妨げ、さらにその後における作業能率を低下させる恐れも生じます。
 宗教活動に類似する、政治活動に関する最高裁判例では、職場は業務遂行のための場であり、当然に政治活動をする権利を有するわけではないとして、一般私企業の使用者が、企業秩序維持の見地から、就業規則により職場内における政治活動を禁止することは、合理的な定めとして許される、と示しています。
 以上のことから、就業規則の服務規律において、就業時間中・時間外を問わず、事業場内での宗教活動や政治活動を禁止する規定を設けることが、一般的となっています。
 さて、ご質問のケースですが、同僚の行為について、まずは上司に報告するべきでしょう。その後、会社によって事実調査が行われ、事実と認定されれば、しかるべき懲戒処分が行われるはずです。それでも一向にあらためられないようなら、最終的には懲戒解雇に至る可能性もあります。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 本文で挙げた、宗教活動、政治活動とならんで、マルチ商法勧誘についても、就業規則で明確に禁止しておくべきでしょう。
 飲食店の場合、従業員間だけでなく、お客様に対して勧誘する者まで出てくる恐れがありますので、厳しい対応が必要です。
グルメキャリー342号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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