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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「求人広告の内容は、そのまま労働契約の内容にはなるか」

質問1

Q.

 月給20万円(3ヶ月間の試用期間中は月給18万円)という求人広告を見て応募したところ、採用され勤務を開始しました。その後3ヶ月がたったところで、店長から、「君は思ったほど仕事ができなかったから、給料は18万円のままだ」と言われました。これは許されるのでしょうか。
【24才 男性】
答え

A.

 ポイントとなるのは、採用時にどのような合意が成立していたかです。
 雇う雇われるの関係は、労働契約という契約を結ぶことです。ハローワークの求人票や、求人雑誌の求人広告は、求人する使用者(お店の側)から求職者に対する、「労働契約締結の申込(=応募)の誘引」であるとされています。誘引に過ぎないのですから、求人広告等の記載内容が、そのまま労働契約の内容となるわけではない、というのが大原則です。
 ただし、採用選考のプロセスにおいて、求人広告等と異なる労働条件での合意が成立していたといった『特段の事情』がない場合には、その求人広告等の内容が労働契約の内容となります
 ご質問のケースはどうでしょうか。求人広告の記載が、「3ヶ月の試用期間が終われば、だれでも必ず月給18万円から20万円に変更となる」と、求職者に信じかねさせないような表現だったとします。なおかつ、採用面接等において「働きっぷりしだいでは、18万円のままである」という説明がなかったとします。その場合には、求人広告がそのまま労働契約の内容となるので、3ヶ月経過後には、20万円に変更しなければなりません。したがって、店長の言い分は通用しないということです。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 求人広告を出す際に、なんとなく労働条件を記載しているお店があるようです。しかし、求職者との間で、異なる条件での合意が成立していなければ、その求人広告の内容がそのまま労働契約の内容になるという、本当はコワいものなのです。そのことを理解して、求人広告の表現には十分注意してください。
グルメキャリー322号掲載

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飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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