最終更新日 2019年01月10日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「解雇予告と解雇予告手当を併用する場合、解雇予告手当の支払時期」

質問1

Q.

 先日、お店から解雇を通告されました。その際、「平均賃金10日分の解雇予告手当を支払い、20日後に解雇する。解雇予告手当は解雇日に支払う」と通知されました。解雇予告手当は、解雇通告と同時に支払わなければならないのではないですか。
【30才 男性】
答え

A.

 結論としては、お店側の手続に、問題はないものと思われます。
 労働基準法により、使用者(お店の側)は、労働者を解雇しようとする場合、30日以上前に予告(解雇予告)をするか、平均賃金30日分以上の手当(解雇予告手当)を支払わなければなりません(20条1項)。また、予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができるとされています(同条2項)。具体的には、解雇予告手当として10日分の平均賃金を支払うなら、解雇予告は20日前でよい、ということです。
 問題となるのは、解雇予告手当は、いつ支払えばよいのかという点です。行政通達によると、「解雇の予告にかわる30日分以上の平均賃金は、解雇の申渡しと同時に支払うべきものである」とされています(昭23・3・17基発464号)。「30日分以上の」という表現からすると、この通達は、予告期間を置かずに即時解雇する場合に限っているように読み取れます。そうすると、解雇予告と解雇予告手当を併用する場合の支払時期には当てはまらないことになります。この場合の支払時期について、法文上は必ずしも明確ではありませんが、厚生労働省の見解としては、予告と同時に支払う必要はなく、予告の際、予告日数と予告手当で支払う日数が明示されている限り、現実の支払は解雇の日までに行われれば足りると解釈しています(厚生労働省労働基準局編 労働基準法コンメンタール)。したがって、この見解によると、お店の手続に問題はないということです。
 なお、解雇予告・予告手当の規制は、あくまでも労働基準法に定められた、解雇をする際の手続の問題です。解雇は、合理的客観的理由と社会通念上の正当性がなければ無効となります(労働契約法16条)。解雇予告・予告手当の規制をクリアしたか否かと、解雇が有効となるか無効となるかは、まったくの別問題です。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 解雇予告手当は、最後の給料と一緒に支払えばよいと思われている経営者が多いのですが、それはよくある誤解です。即時解雇をする場合にも、解雇予告と併用する場合にも、それは誤りです。
グルメキャリー307号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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