最終更新日 2019年03月14日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「育児休業終了後、職場復帰時の降格はマタハラか」

質問1

Q.

 育児休業(育休)を終え、職場に復帰しました。しかし、育休前はホールマネージャーの役職に就いていたのに、復帰後はその役職を解かれ、給料も下げられました。育休を取ったこと以外に、特に理由もなく、納得がいきません。これは許されるのでしょうか。
【28才 女性】
答え

A.

 妊娠・出産・育休等を理由とする不利益な扱い(解雇、雇止め、降格など)のことを、「マタニティハラスメント(マタハラ)」といいます。マタハラは、男女雇用機会均等法9条3項、育児介護休業法10条により禁止されています。ご質問のケースは、典型的なマタハラであり、法違反と判断される可能性が高いでしょう。
 平成26年10月、「マタハラ裁判」として世間の注目を浴びた、最高裁判決が出されました。この裁判では、妊娠中の女性労働者が、軽易な業務への転換を希望したところ、副主任の役職を解かれ降格となった事案について、男女雇用機会均等法違反と判断されました。そして、この最高裁判決を受け、平成27年1月、厚生労働省は、男女雇用機会均等法及び育児介護休業法それぞれに関する解釈通達について、マタハラ防止を強化するために改正しました。
 通達では、「妊娠・出産・育休等を理由とする不利益」の『理由とする』とは、妊娠、出産、育児休業等の事由を契機として不利益取扱いを行った場合は、原則として「理由として」いるものとして、法違反になると示しています。
 また、『契機として』とは、妊娠、出産、育休等の事由の終了から1年以内に不利益取扱いがなされた場合は「契機として」いると判断するとしています。ただし、事由の終了から1年を超えている場合であっても、実施時期が事前に決まっている、又は、ある程度定期的になされる措置(人事異動、人事考課、雇止めなど)については、事由の終了後の最初のタイミングまでの間に不利益取扱いがなされた場合は(たとえ1年を超えていても)「契機として」いると判断されます。
 以上が、マタハラに当たると判断される原則ですが、通達には、例外が2つ定められています。
 例外の1つ目は、業務上の必要性から不利益取扱いをせざるをえず、かつ、業務上の必要性が、当該不利益取扱いにより受ける影響を上回ると認められる特段の事情が存在するときです。『特段の事情』とは、「経営状況(業績悪化等)」や「本人の能力不足・成績不良・態度不良等」を理由とする場合が挙げられています。
 例外の2つ目は、労働者本人が同意した場合です。ただし、単に【本人】が同意しているだけではダメで、有利な影響が不利な影響の内容や程度を上回り、事業主から適切に説明がなされる等、【一般的な労働者】なら同意するような合理的な理由が客観的に存在することが必要です。
 以上の通達の内容を踏まえると、ご質問のケースは、業務上の必要性もなく、有利な影響についての事業主からの説明もなく、本人が同意していないことから、マタハラに該当し、違法と判断されると考えられます。
グルメキャリー286号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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