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※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「試用期間中、休職規定の適用除外は許されるか」

質問1

Q.

  試用期間3ヶ月という約束で就職しました。入社から2ヶ月を超えたころに体を壊し、入院することになりました。私は、休職の扱いになると思っていたのですが、試用期間満了日をもって、本採用拒否として解雇されました。確かに、お店にある就業規則の休職規定には「試用期間中の者には適用しない」とありますが、このような規定は許されるのですか。 
【29才 男性】
答え

A.

  まず、「休職」とはどんな制度なのか考えてみましょう。労働者が、何らかの事情により労働することができなくなった場合に、雇用関係は継続したまま、一定期間の労働義務を免除することを、休職といいます。特に私傷病(業務上の原因ではない病気やケガ)を事由とする休職は、「病気やケガで労務提供義務が果たせなくなることは、本来であれば解雇事由にあたる。しかし、長期雇用を前提とした契約関係なのだから、しばらくの期間は雇用を継続したまま(=解雇を猶予)療養させて様子を見ましょう。そして、治癒して働けるようになれば復職、働けるようにならなければ雇用関係を終了する」という趣旨で定められる制度です。
 一方、「試用期間」とは、新たに採用した労働者の人物や能力について、従業員としての適格性を判断するための期間です。試用期間の法的性質は「解約権留保付労働契約」とされています。試用期間中または試用期間満了日において本採用拒否することは、留保されていた解約権を行使することであり、解雇にあたります。ただし、通常の解雇よりも、広い範囲で有効と認められます。
 以上を踏まえてご質問のケースを検討します。試用期間の目的である「適格性の判断」には、健康面での見極めも含まれているということができます。また、入社してすぐに病気やケガで働くことができなくなった者について、治癒できるかどうかの様子を見ながら解雇を猶予する必要性は無いとも考えることができます。したがって、「試用期間中は休職規定を適用しない」とする就業規則は合理性があるでしょう。また、試用期間満了時点で労働提供義務を果たせない状態であるなら、本採用拒否が認められる可能性が高いでしょう。
グルメキャリー238号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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