最終更新日 2019年01月17日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「懲戒処分における「平等取扱いの原則」について」

質問1

Q.

 飲食店で調理担当をしています。先日、こっそり調理場でつまみ食いをしているところを店長に見つかり、罰として減給の処分を受けました。しかし、以前同じようにつまみ食いをした者には、始末書の提出だけで許されたと聞いたことがあります。なんだか不公平に感じて納得いかないのですが。
【24才 男性】
答え

A.

 まず、あなたはしっかりと反省しなくてはなりません。しかし、確かにお店の対応にもまずいところがあります。
 使用者(お店の側)が、始末書を書かせたり、減給処分をしたりと、「懲戒処分」を課すことは、企業秩序を維持するためには必要なことです。しかし、労働契約において、使用者が懲戒権を行使するためには、一定の要件をクリアしなければいけません。まず、労働者がどんな悪いことをしたときに、どんな罰を課すのかについて、「懲戒の種類と事由」を就業規則に定めておかなければなりません。そして、使用者が懲戒権を有したとしても、その権利の行使が濫用である場合には、その懲戒は無効となります(労働契約法15条)。
 懲戒権の濫用とならないように、懲戒処分をするためには、いくつかの要件があります。その中の一つに、「平等取扱いの原則」があります。同じ企業秩序違反に対しては、同じ種類、同じ程度の懲戒をしなければならないということです。過去に同様の違反行為があって懲戒処分をしていた場合、その後の行為者にも同じ処分をしなければ平等ではなくなってしまいます。その点では、お店があなたに課した懲戒は、無効となる可能性があります。
 しかし、常に過去の事例に拘束されていると、使用者が「この行為にこの処分では甘すぎる」と考えても、処分を重くすることがずっとできなくなります。そこで、使用者が同じ行為に対する処分を重くしようとするのなら、平時において懲戒規定を変更し、労働者に対して周知させておくことが、実務的対策となるでしょう。
グルメキャリー213号掲載
イラスト

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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