最終更新日 2019年01月17日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「求人広告と異なる労働条件を具体的に提示せずに採用した場合」

質問1

Q.

求人広告に「月給20万円」とあったお店に面接に行きました。そのとき店長から「君は未経験者だから、給与は20万円を少し下回ることになるが、それでよければ採用しよう」と言われました。私は、未経験のために給与が安くなるのはしょうがないと納得して入社することにしました。ただ、この時点で具体的な給与額は提示されませんでした。私は18万円ぐらいはもらえるものだと思い、そのまま働き始めることになりました。  そして、初めての給料日に明細を見て驚いたのですが、給与は額面15万円となっていました。店長は「20万円を下回るということで納得したじゃないか」と言っています。私は15万円であきらめるしかないのでしょうか。
【21才 男性】
答え

A.

微妙なケースではありますが、あなたは賃金月額20万円で契約したものとして、お店に対して差額を請求することが可能でしょう。
 まず、求人広告と異なる条件で、採用(労働契約の締結)することが許されるかという問題があります。この点については、求人広告は、あくまでも労働契約締結の「申込みの誘因」に過ぎず、それがそのまま労働条件として決定しているわけではないとされています。そして、求職者がその求人広告を見て応募し(労働契約締結の「申込み」)、使用者(お店の側)があらためて労働条件を提示せずに採用決定(労働契約締結の「申込みを承諾」)すると、その求人広告記載の条件で契約締結したことになります。一方、面接時等において、求人広告と異なる条件を提示して、その条件に双方が同意した場合には、そちらの新たな条件で契約が成立します(もっとも、使用者が最初から月給20万円程度しか払うつもりがないのに、求人広告に「月給100万円以上」と記載するのは、虚偽広告として職業安定法上、罰則の対象となります)。
 つまり、15万円なり18万円なりの条件が提示され、あなたがそれに同意したのでしたら、その条件で労働契約を締結したことになります。しかし、具体的にはなんら金額を提示されていなかったのですから、原則どおり、求人広告に記載の条件で労働契約が成立したと考えるべきでしょう。
 しかも、お店の側には、こういった採用時のトラブルを避けるために、賃金や労働時間等の重要な労働条件について書面で明示して、労働者に交付する義務が、労働基準法15条にて定められています。ご質問のケースでは、お店はこの労基法15条にも違反しているわけです。したがいまして、お店の側はかなり旗色が悪いと言えるでしょう。
グルメキャリー209号掲載
イラスト

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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