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※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「「退職願」と「退職届」の違いについて」

質問1

Q.

勤めているお店を辞めようと考えています。お店に提出する書面を、「退職願」にするのと「退職届」にするのでは、違いがあるのでしょうか。
【25才 女性】
答え

A.

労働者の側からの「仕事を辞めます」という意思表示には、「労働契約の合意解約の申し入れ」と「労働契約の一方的な解約」の2通りがあります。
 「合意解約」の場合、労働者の「辞めさせてください」という申し入れに対して、使用者が「辞めてもいいですよ」と承諾することによって、退職が成立します。もし、承諾しなければ、労働契約は続くことになります。
 一方、「一方的解約」の場合、労働者が「辞めてやるぅ!」と意思表示をすることにより、使用者の承諾があろうがなかろうが、民法の規定により、原則2週間後には退職が成立します。
 また、退職の意思表示の後で、「やっぱり辞めません」と撤回ができるかどうかの問題においても、大きな違いがあります。意思表示が「合意解約の申し入れ」であった場合、使用者の承諾前であれば撤回が可能です。「一方的解約」であった場合、撤回することはできません。
 さて、ご質問についてですが、「退職願」は「合意解約の申し入れ」、「退職届」は「一方的解約」ということになります。といっても、現実には労働者の側が厳密に「退職届」と「退職願」を使い分けているとは考えづらいところです。したがって、どちらの形式であったとしても、書面が提出されたところで「合意解約の申し入れ」があったものと判断し、それに承諾をしなければ、原則2週間後に「一方的解約」が成立するものと考えられています。つまり、実務上は「退職願」と「退職届」の形式の違いには、あまり意味はありません。重要なのは形式ではなく労働者側の「本当の意思はどちらか」ということになります。ただ、その違いを知ったからには、やはり使い分けをした方がいいでしょう。
グルメキャリー114号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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