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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「大雪で通常とは異なる経路での通勤中に負ったケガは、通勤災害か」

質問1

Q.

 先日、大雪が降った日、いつも通勤に使ってる電車が運休になっていたので、別の路線で出勤することにしました。その出勤途中、雪ですべって転びケガをしました。これは労災保険の通勤災害にあたると思ったのですが、店長からは、「お店に届け出ている通勤経路と異なるから、労災は使えない」と言われました。本当でしょうか。
【27才 男性】
答え

A.

 結論としては、店長の言っていることは正しくありません。通勤災害として認定される可能性は十分にあります。
 労災保険法における「通勤」の定義は、「労働者が就業に関し、住居と就業の場所との間の往復を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除く」とされています(7条2項1号、そのほかに、二重就業者の事業場間の移動や単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居間の移動も、「通勤」と扱われます)。問題となるのは、どんな経路であれば、「合理的な経路」と認められるかです。この点、行政通達によると、
定期券に表示され、または会社に届け出ているような鉄道・バス等の通常利用する経路。これに代替することが考えられる経路。
・タクシー等を利用する場合、通常考えられるいくつかの経路。
・経路の道路工事、デモ行進等、当日の交通事情により迂回してとる経路。
・マイカー通勤者が、貸し駐車場を経由して通る経路。
等を例示しています。つまり、お店に届け出ている経路はもちろんのこと、その日の交通事情等により通常とは異なる経路であっても、「合理的な経路」と認められる可能性はあるのです。
 ご質問のように、大雪や台風などにより、通常利用している路線が運休となった場合に、いつもとは異なる路線を利用したケースも、「合理的な経路」と認められるでしょう。
 ただし、常識の範囲を超えてあまりにも遠回りした場合には「合理的な経路」とは認められません。また、寄り道をして中断・逸脱をした場合には、原則としてそれ以降は通勤と認められません。
 以上のとおり、ご質問のケースは、通勤災害として、労災保険を使うことができるでしょう。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 「お店に届け出ているのと異なる経路での事故は、通勤災害と認められない」と思い込んでいる方も多いのですが、それは誤解です。通勤災害にあたるかどうか不明な場合は、労働基準監督署に確認するようにしてください。
グルメキャリー346号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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