最終更新日 2019年01月10日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「パート・アルバイトの社会保険加入基準について」

質問1

Q.

 飲食店でアルバイトとして働いています。勤務シフトは1週間ごとに決められ、働く日数や時間数は、多い週もあれば少ない週もあります。先日店長から、「勤務実績が基準を超えたので、今月から社会保険に加入しなければならない」と言われました。アルバイトの社会保険加入基準とは、どのようなものでしょう。
【25才 男性】
答え

A.

 パートやアルバイトといった短時間労働者が、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入しなければならない基準は、従来から行政上の取扱基準として存在していました。その基準が、平成28年10月施行の法改正によって、より明確な基準としてあらためられました。
 具体的には、「『1週の所定労働時間』『1ヶ月の所定労働日数』の両方が、通常の労働者(つまり、正社員)の4分の3以上であること」が、社会保険に加入しなければならない基準となりました。この基準を「4分の3基準」と呼びます。
 さらに、この基準を満たさない場合でも、「特定適用事業所(社会保険加入中の従業員が、会社全体で501人以上の事業所)」、または「任意特定適用事業所(平成29年4月以降、社会保険加入対象者の2分の1以上と事業主の間で、社会保険に加入することについて合意した事業所)」で働く人については、図表1の(1)~(4)をすべて満たす場合には、社会保険に加入しなければなりません。
 さて、4分の3基準における所定労働時間と所定労働日数は、就業規則や雇用契約書で定められた所定労働時間・所定労働日数で判断されるのが原則です。
 しかし、雇用契約書等で定められた所定労働時間または所定労働日数は、4分の3基準を満たさない者でも、業務の都合等により、実際の労働時間が4分の3基準を満たすことも起こりえます。この場合、実際の労働時間および労働日数が、連続する2ヶ月において4分の3基準を満たし、かつ引き続き同様の状態が続いているか、続くことが見込まれるときは、4分の3基準を満たした月から3ヶ月目の初日に社会保険に加入するというルールになりました(図表2)。ただし、図表1の要件に該当する場合には、その時点で加入となります。
 ご質問のケースは、雇用契約書等の上では、4分の3基準を満たしていないものの、実際の労働時間が、2ヶ月連続で4分の3基準を満たし、なおかつその状態が引き続くと見込まれたために、3ヶ月目で社会保険加入することとなったのでしょう。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 短時間労働者への社会保険適用拡大とともに、適用基準の明確化も、法改正の趣旨です。行政調査があった場合に、アルバイトの社会保険未加入について指摘を受けることのないよう、加入基準をしっかり理解しましょう。
グルメキャリー330号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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