最終更新日 2019年03月22日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「固定的賃金変動、2等級以上の等級差でも随時改定にならない場合」

質問1

Q.

 役職手当がつくようになり、昇給したのですが、その後数ヶ月、残業時間が減り、結果として給与の総額は減っています。給与の額が大幅に上がったり下がったりした場合には、月々の社会保険料も変更になると聞いたのですが、私は対象になるでしょうか。
【34才 男性】
答え

A.

 月々の給与から天引きされる社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は、標準報酬月額に保険料率をかけて計算されます。標準報酬月額とは、給与の支給額をある範囲ごとに区切った等級表にあてはめて得られる、いわば仮の給与額です。標準報酬月額は、毎年1回見直しが行われ、4月、5月、6月に支給される給与の平均により決定されます。これを「定時決定」といいます。
 しかし、年に1回だけの見直しだけでは、昇給や降給によって大幅に給与額の変動があると、標準報酬月額が実態とかけ離れた金額になってしまいます。そこで、一定の条件が揃った場合には、標準報酬月額を改定することになっています。これを「随時改定」といいます。随時改定が行われる一定の条件とは、
(1)固定的賃金が変動したこと
(2)変動月から3ヶ月間、各月の賃金支払基礎日数が17日以上であること
(3)変動月から3ヶ月間の給与の平均額を等級表にあてはめて、従前の等級と比べて2等級以上の差が生じていること
の3点です。
 注意が必要なのは、固定的賃金がアップ(昇給)しても、非固定的賃金(残業手当等)が少なくなり、結果として3ヶ月平均で2等級以上ダウンする場合、その逆に、固定的賃金がダウン(降給)しても、非固定的賃金が多くなり、2等級以上アップする場合には、随時改定の対象とはなりません
 ご質問のケースも、固定的賃金はアップしても、残業の減少により、結果として標準報酬月額がダウンする場合には、随時改定は行われず、従前どおりの保険料のままとなります。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 「固定給の変動」「2等級以上の差」だけに注目していると、勘違いすることがありますので注意が必要です。
グルメキャリー312号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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