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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「出産手当金の受給中、出勤した日がある場合」

質問1

Q.

 現在妊娠中で、産前休業を取れる時期になれば産休に入る予定です。しかし、お店からは、人手が足りないので、産前休業中、短時間でいいので、週に1回でも入ってほしいと頼まれています。もし、週1日、短時間勤務した場合、出産手当金はどうなりますか。
【28才 女性】
答え

A.

 まず、労働基準法の産前産後休業の制度を確認しておきましょう。産前6週間(双子以上の多胎妊娠の場合、14週間)の間にある女性労働者から請求があった場合、使用者(お店の側)は、産前休業を与えなければなりません。そして、出産日の翌日から8週間は、請求がなくても産後休業を与えなければなりません。ただし、産後6週間を経過後(7週目と8週目)は、女性労働者が働くことを希望して、かつ医師が「働いても支障無し」と認めた場合には、働かせることができます。つまり、絶対に働かせられないのは、出産日の翌日から6週間だけとなります。
 一方、健康保険から支給される「出産手当金」は、先述の産前産後休業とまったく同じ期間中、休業した日に対して、『日』単位で支給されるものです。
 同じ健康保険からの「傷病手当金」については、休業した日について、労務不能であったことを医師に証明してもらう必要があります。しかし、出産手当金にはそのような条件はありません。産前産後休業期間中、飛び飛びで出勤した場合、その出勤した日だけ支給対象にはなりませんが、出勤すること自体はまったく問題ありません。ただし、出産手当金の支給額は、休業した日1日につき、標準報酬日額(平均した日給のイメージです)の3分の2に相当する額ですが、短時間でも出勤した日には、まったく支給されません。たとえ、勤務した時間に対する賃金が、出産手当金の支給額を下回っても、その差額が支給されるわけではありません。その点だけ注意してください。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 お店の要望に応えて本人が出勤してくれるのは問題ありません。しかし、本文最後の点だけは、しっかり理解してもらってトラブルにならないようにしましょう。
グルメキャリー301号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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