最終更新日 2019年03月22日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「お店から頼まれて出勤前に買い物。その途中での事故は通勤災害か」

質問1

Q.

 先日、出勤前に店長から電話があり、「店で使うキッチンペーパーが切れたので、通勤途中で買ってきてほしい」と頼まれました。私は、いつもより30分ほど早く家を出て、スーパーで頼まれた買い物をしてから、出勤する予定でした。ところが、買い物の後、スーパーを出てからお店に向かっている途中、自転車で転んでケガをしました。これは労災の通勤災害になりますか。    
【36才 女性】
答え

A.

 ご質問の場合、労災保険においては、通勤災害ではなく、業務上災害と扱われる可能性が高いでしょう。
 労災保険法における「通勤」の定義は、「労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くもの」としています(7条2項)。ここに出てくる「次に掲げる移動」のメインは、「住居と就業の場所との間の往復」です(同項1号)。
 ポイントは、「業務の性質を有するものを除く」の部分です。あなたは、出勤前から突然店長からお使いを頼まれ、いつもより早く家を出ています。家を一歩出た瞬間に、すでに仕事をしていること、つまり「業務性」が認められることになります。そうすると、もはや「通勤」の定義には該当しなくなり、移動中の事故は、「通勤災害」ではなく、「業務上災害」となるのです。(もちろん、途中で寄り道をしたりといった積極的な私的行為がなかったことが前提です)
 ただ、労働基準監督署による解釈によっては、スーパーを最初の「就業の場所」と判断される余地はあります。その場合、家を出てからスーパーまでは、「通勤」ということになります。
 しかし、ご質問のケースは、スーパーで買い物をしてからお店に向かっている途中なのですから、「業務上」と判断される可能性が高いと考えられます。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 労災保険法における「通勤」は、一般的なイメージとは異なるケースが多くあります。労災保険の手続は、形式上は労働者本人が行うものですが、お店の側としては、キチンとした知識にもとづきサポートするべきです。
グルメキャリー295号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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