最終更新日 2019年03月22日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「休職中に賞与が支給された場合、傷病手当金は減額されるか」

質問1

Q.

  現在、体を壊し休職中で、健康保険から傷病手当金を受給しています。先日、夏季賞与として、賞与査定期間のうち休職に入るまでの期間について計算された分が支給されました。傷病手当金は、会社から報酬を受けると、その分減額された支給額になると聞いていますが、私の場合どうなりますか。
【26才 女性】
答え

A.

   1年に3回以下しか支給されない賞与であれば、傷病手当金の減額(正しくは、支給調整といいます)の対象にはなりません。一般的な企業の場合には、減額の心配のないことが多いでしょう。
  健康保険から支給される傷病手当金は、業務外による病気やケガの療養のために、仕事ができずに連続3日以上休業している場合、休業4日目から支給される保険給付です。給付額は、1日につき標準報酬日額(おおよその日給額)の3分の2となっています。ただし、休業した日に「報酬」が支払われていると、その日についての支給額は、報酬の額を差し引いた額に減額されます。
 よくあるのは、休業期間中、基本給等は支給されていなくても、通勤手当だけは1ヶ月分満額支給されているようなケースです。この場合、休業した日についても、通勤手当の日割分が支給されているものと扱われ、支給額から通勤手当1日分が減額されます。
 さて、健康保険法にいう「報酬」の定義は、「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び3ヶ月を超える期間ごとに受けるものは、この限りではない」としています(健保法3条5項)。一方、「賞与」の定義は、「労働者が労働の対償として受けるすべてのもののうち、3ヶ月を超える期間ごとに受けるものをいう」となっています(同条6項)。「3ヶ月ごと」とは「1年に4回」のことなので、「3ヶ月を超える期間ごと」とは「1年に3回以下」という意味です。つまり、名称が同じ「賞与」でも、健康保険法の定義では、年に4回以上支給されるものは「報酬」、年に3回以下支給されるものは「賞与」と、区別されています。
 そして、傷病手当金の支給調整の対象となるのは、先述のとおり「報酬」だけであり、「賞与」は対象となりません。したがって、一般的な企業で支給されているような、年に3回までの賞与(例えば、夏季賞与、冬季賞与、決算賞与の3回)が休業期間中に支払われても、傷病手当金は減額されません。
グルメキャリー264号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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