最終更新日 2019年01月17日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「昇給と社会保険料変更のタイミング(標準報酬月額の随時改定)」

質問1

Q.

店長に昇格し、3月支給給与から昇給となりました。そのときは健康保険料と厚生年金保険料の天引き額は増えていなかったのに、7月給与で増えていました。なぜこのタイミングになるのですか。
【29才 男性】
答え

A.

まず、健康保険料と厚生年金保険料の計算方法を理解しましょう。これらの保険料は、
 標準報酬月額×保険料率
  で計算されます。標準報酬月額とは、給与の支給額をある範囲ごとに区切った等級表にあてはめて得られる、いわば仮の給与額です。標準報酬月額は、毎年1回、7月の時点で見直しが行われ、そこで決定した額が1年間使われます。これを定時決定といいます。
 しかし、その1年の間で、昇給や降給によって大幅に給与額の変動があると、標準報酬月額が実態とかけ離れた金額になってしまいます。そこで、一定の条件が揃った場合には、標準報酬月額を改定することになっています。これを随時改定といいます。この一定の条件とは、次の3つです。

(1)固定的賃金が変動した、または給与体系の変更があった
 固定的賃金とは、支給額や支給率が毎回の支給時に決まっているものです。基本給や役職手当などが該当します。残業手当や歩合給は固定的賃金ではありません。また、給与体系の変更とは、月給制から時給制になったとか、新たな手当が導入されたとかのケースを指します。
(2)変動月から3ヶ月間、各月の賃金支払基礎日数が17日以上あった
 たまたま欠勤が多くて、大幅に支給給与が減っても、随時改定の対象になりません。
(3)変動月から3ヶ月間の支給給与の平均額を等級表にあてはめると、従前の等級と比べて2等級以上の差が生じた
 1等級だけの差では、随時改定の対象とはなりません。また、平均額は、非固定的賃金も含めた支給総額で計算します。

 さて、あなたは3月支給給与で昇給したということですので、3月、4月、5月の支給給与を平均した結果、従前より2等級以上の差が生じたために、随時改定の対象となったのでしょう。改定された標準報酬月額は、3ヶ月平均を取った最後の月の翌月から適用されます。あなたの場合、6月から適用となります。そして、6月分の保険料は、翌月の7月支給給与から天引きされることになっています。結論だけ言えば、随時改定は、昇給・降給のあった月から4ヶ月後の支給給与から反映される、ということになります。
グルメキャリー197号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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