最終更新日 2019年03月22日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「生理休暇取得で皆勤手当不支給は許されるか」

質問1

Q.

  飲食店で働く女性です。先日、生理休暇を取得したところ、欠勤と同じ扱いとされ、1ヶ月3000円の皆勤手当が支給されませんでした。生理休暇は法律で定められた休暇と思うのですが、このような取扱いは許されるのですか。
【24才 女性】
答え

A.

  労働基準法68条において、生理日の就業が著しく困難な女性労働者が休暇を請求したときは、その女性労働者を生理日に就業させてはならないと定められています。この休暇のことを、一般に「生理休暇」と呼んでいます。
 休暇の日数については、生理期間、その他の苦痛の程度、就労の難易は各人によって異なるもので、客観的な一般基準を定めることはできません。したがって、就業規則などで日数を制限することはできません
 休暇中の賃金については、労働契約、就業規則等で定めることで、支給しても支給しなくても差支えないこととなっています。つまり有給でも無給でもよいのですが、多くの企業では無給との取扱いをしているようです。
 では、不就労分の賃金を支払わないこと以上に、不利益な取扱いをすることは許されるのでしょうか。いくつかの裁判例によりますと、法律が労働者に認めた権利の行使を抑制し、法律が権利を保障した趣旨を実質的に失わせる制度や措置は、公序良俗に反して無効としています。この「権利行使を抑制しているかどうか」は、個々の事案によって判断されます。
 たとえば、昇給・昇格の要件に使われる出勤率の算定にあたり、年次有給休暇、生理休暇、産前産後休業等を欠勤扱いにしたことが争われた事案では、労基法上の権利を行使したことによって昇給等において不利益取扱いすることは、権利の行使を抑制するものであり、許されないと判断しました(日本シェーリング事件・最一小判平元・12・14)。
 一方、精皆勤手当の支払において休暇の取得日を欠勤扱いとしたことについて争われた裁判では、精皆勤手当は賃金と同様、労使間の合意に委ねられているものであること、生理休暇取得日には不就業手当がいくらか支払われていたことから、生理休暇の取得を著しく困難としたり、法律の趣旨を失わせたりしていないとして、労基法にも公序良俗にも反しないと判断しています(エヌ・ビー・シー工業事件・最三小判昭60・7・16)。
 ご質問のケースについては、皆勤手当の額がそれほど大きくないことから「権利行使を抑制していない」、つまり法違反ではないと判断される可能性が高いと思われます。
グルメキャリー258号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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