最終更新日 2019年01月17日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「休日の振替は、同意無しに一方的に命じることができるか」

質問1

Q.

  先日、翌週のシフトが発表された後で、店長から「やっぱり来週の○曜日の休日と○曜日の出勤日を振り替えるからね」と言われました。もう来週のプライベートの予定を立てているのに、休日の振替は、同意も無しに一方的に命じられるのですか。 
【26才 男性】
答え

A.

  一定の要件を満たしていた場合、休日の振替には労働者の同意は必要なく、一方的に命じることができるのが、原則です。
 まず、使用者が休日の振替を命じるためには、労働契約上の根拠が必要です。そのためには、就業規則等において「業務の必要により、休日をほかの日に振り替えることができる」といった規定が必要です。就業規則は、内容が合理的で、採用時に周知されていれば、労働契約の内容になります(労働契約法7条)。この規定により、使用者には休日振替を命じる権利が生じるということです。逆に言えば、このような規定が存在しなければ、労働者の同意が無ければ休日の振替を一方的に命じることができません。
 次に、振替の実施の前に、振替られた休日と労働日を特定しなければなりません。休日の振替とは、事前に休日と労働日をそっくり入れ替えることだからです。この点、休日労働をさせてから、事後的に休みを与える「代休」との大きな違いです。
 最後の要件として、法律で定められた休日の要件を満たさなければなりません。振替によって、もともと休日であった日は労働日に、もともと労働日であった日は休日になるわけです。その結果、休日が「1週1日以上」または「4週4日以上」を確保できなくなれば、労働基準法で定められた休日の規制に違反することになります。行政通達では、「振り替えるべき日については、振り替えられた日以降できる限り近接している日が望ましい」とも付け加えられています。
 以上を踏まえて、ご質問のケースを検討してみましょう。もしも、お店の就業規則に休日の振替に関する規定があったとすると、お店の側には休日の振替を命じる権利があったことになります。そして、事前に振り替える休日と労働日を指定していること、同一週における振替なので法定休日にも違反していないこと、これらの状況から考えると、今回の振替は適法なものであり、あなたは従わなければならないでしょう。
 もっとも、いくらお店に休日を振り替える権利があるとはいえ、一度決まった休日が変更されるということは、労働者の生活に少なからず影響を与えることになります。お店の側は、この点に配慮する必要があるでしょう。
グルメキャリー256号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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