最終更新日 2019年03月22日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「お店がヒマで早く帰らせられた場合、休業手当はもらえるか」

質問1

Q.

 飲食店で1日に5時間ぐらいのアルバイトをしています。お店がヒマな日は、「早く帰っていいよ」と言われ、早上がりをさせられることがあります。ヘタをすると働く予定だった半分で帰らせられます。このような場合、給料の60%は休業手当がもらえると聞いたのですが、本当ですか。
【25才 男性】
答え

A.

 確かに、使用者(お店の側)の責任で仕事を与えず休業させた場合には、労働基準法により、休業手当を支払わなければなりません。しかし、その額は、賃金のちょうど60%というわけではありません。(なお、使用者の責任しだいでは、民法536条2項により、賃金の全額を支払わなければならないケースもありますが、今回は休業手当に絞ってご説明します)
 労働基準法26条では、「使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合、平均賃金の60%以上となる『休業手当』を支払わなければならない」と定められています。
 また、1日の一部だけ休業させて、「実際に働いた賃金」が平均賃金の60%に満たない場合は、その差額を休業手当として支払わなければなりません。
 次に、休業手当の計算で出てくる「平均賃金」とは、労働基準法12条で定義されています。算定事由発生日以前3ヶ月間における「賃金の総額」を「総日数」で割ったものとされています(原則)。ここでの賃金総額には、通勤手当も含まれます。
 ただ、日給制や時給制の場合に、この原則の計算方法で算出すると、著しく低い額になってしまう場合があるので、「賃金の総額」を「実際の労働日数」で割った額の60%を、最低保障額としています。
 それでは、具体的な計算をしていきましょう。3ヶ月間に支払われた賃金、労働日数、その他の前提条件は、図表にあるとおりとします。まず、平均賃金を求めると、原則の計算による「2,384円45銭」より、最低保障額である「3,210円29銭」の方が高いので、後者の方が、平均賃金となります。そしてこの平均賃金の60%は、「1,926円(A)」となります。
 ケース(1)として、1時間だけ働いて帰らせられた場合、実際に働いた賃金は通勤手当込みで「1,320円」となり、(A)に満たないために、差額の「606円」が休業手当として必要になります。
 ケース(2)として、2時間だけ働いて帰らせられた場合、実際に働いた賃金は通勤手当込みで「2,320円」となり、(A)以上となるので、休業手当は支払われません
 このように、休業手当の計算には平均賃金を用いるため、単純に賃金の60%になるわけではありません。

飲食店オーナーの方へ

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 経営者さん向けの実務書では、話を分かりやすくするために、「休業手当は、1日あたりの賃金の60%」と記述されることもあります。しかし、実際に計算してみると、ずいぶんイメージと異なるのではないでしょうか。
グルメキャリー338号掲載

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飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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