最終更新日 2019年03月22日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「深夜割増込みの時給表記と、研修時給の解釈」

質問1

Q.

 ある飲食店のアルバイト求人広告に応募して採用されました。その求人広告には、「22時以降、時給1500円(深夜手当含む)」と記載されていました。このような表記は問題ないのですか。
 また、「研修期間3ヶ月間は、時給100円引き」とも記載がありました。私は、22時以降については、1500円の100円引きで1400円になると思っていました。ところが、店長からは、「1500円のうち1200円が通常の時給、その25%の300円が深夜手当なのだから、研修時給は1200円の100円引きで1100円、その25%は275円なので、合わせて1375円だよ」と言われました。これは正しいのですか。
【24才 男性】
答え

A.

 ご質問の一つ目は、法的に問題ありません。二つ目については、解釈の問題となりますが、店長の言い分は、ちょっと苦しいですね…。
 深夜時間帯である、22時から翌朝5時までに労働させた場合、使用者(お店の側)は、通常の賃金の25%を、割増賃金として加算して支給しなければなりません。この点に関して、行政通達により、「深夜の割増賃金を含めて所定賃金が定められていることが明らかな場合には別に深夜業の割増賃金を支払う必要はない」と示されています。したがって、「深夜手当込みで時給1500円」という表記(本質的には、1200円が通常の賃金、300円が割増賃金)も、問題はありません。
 一方、「研修期間中100円引き」という表記については、求人広告に1200円という表記がまったく無く、1500円という数字だけがあったのなら、1500円の100円引きで1400円と解釈するのが、普通でしょう。店長の言い分も、成立しないわけではありませんが、それだったら最初から、求人広告のどこかに1200円の表示をしておくべきでした。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 労働者の募集等について規制している職業安定法という法律があります。その42条において、「募集内容の的確な表示」として、「新聞、雑誌その他の刊行物に関する広告により労働者を募集する者は、労働者の職業選択に資するため、当該募集に係る従事すべき業務の内容等を明示するに当たっては、当該募集に応じようとする労働者に誤解を生じさせることのないよう平易な表現を用いる等その的確な表示に努めなければならない」と定めています。お店側にそのつもりはなくても、働き始めてから「だまされた!」と思われては、従業員のモチベーションを下げることになり、良い仕事はしてもらえなくなります。良い人材に良い仕事をしてもらうためには、求人広告の段階からすでに勝負が始まっていると言えるでしょう。
グルメキャリー319号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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