最終更新日 2019年03月22日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「最低賃金の改定によって、時間給が最低賃金をクリアできなくなった場合」

質問1

Q.

 1年ほど前から、東京にある飲食店でアルバイトをしています。時給は採用された時から変わらず890円です。先日、最低賃金という制度を知ったのですが、最低賃金額が改定され、今の時給ではそれを下回っているらしいです。最低賃金は、採用時にクリアしていれば問題ないのでしょうか。
【22才 男性】
答え

A.

 あなたの場合、現在の時給と最低賃金の差額を請求することができます
 最低賃金の制度は、最低賃金法という法律にもとづき、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善、労働者の生活の安定等につなげることを目的としています。
 最低賃金には、都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定地域内・特定産業について定められた「特定最低賃金」の2種類があります。現在、飲食業については、特定最低賃金が定められている地域は存在しないため、地域別最低賃金だけをクリアすれば良いことになります。
 現在、東京都の最低賃金は1時間あたり907円となっています。この額は、平成27年10月1日に発効され、それまでは888円でした。ご質問のケースは、確かに1年前に採用された時点では、時給890円で最低賃金をクリアしていたのですが、今年の10月1日以降は、17円下回っていることになります。
 使用者は、最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません(最賃法4条1項)。たとえ労働者と使用者の間で、最低賃金を下回る賃金額で定めた労働契約が合意により成立していても、その部分については契約が無効となります。それだけでなく、無効となった部分は、自動的に最低賃金と同額で契約していたことになります(同条2項)。つまり、あなたやお店が黙っていても、今年10月1日をもって、自動的に時給907円という条件に、労働契約は変更されていたことになります。したがって、時給890円と907円で計算された差額の賃金を、あなたは請求する権利があるというわけです。
 なお、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則として、50万円以下の罰金が定められています。
飲食店オーナーの方へ

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 最低賃金は、毎年見直しが行われ、改定された額はだいたい10月に発効されています。お店の賃金が、知らないうちに最低賃金を下回っていないか、毎年チェックが必要です。
グルメキャリー295号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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