最終更新日 2019年01月17日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「月給額が最低賃金をクリアしているかどうかの判定方法」

質問1

Q.

 東京にある飲食店に採用されたのですが、月給の額が通勤手当を除いて15万円です。これは少なくありませんか。法律で最低賃金が決まっていると聞きましたが、私の場合はそれをクリアしているのでしょうか。
【22才 女性】
答え

A.

 最低賃金法に定められる最低賃金のうち、飲食店に適用されるのは、地域別最低賃金と呼ばれる制度であり、都道府県ごとに時間額で定められています。具体的には、東京都は888円、埼玉県は802円、千葉県は798円といった額となっています(いずれも平成26年10月1日発効)。注意が必要なのは、たとえ本社が大阪や北海道にあろうとも、東京にあるお店で働く人には、東京都の最低賃金が適用されるということです。
 実際の賃金が最低賃金をクリアしているかどうかを判定する際には、(1)臨時に支払われる賃金(結婚手当など)(2)1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)(3)残業手当、休日手当、深夜手当(4)精皆勤手当・通勤手当・家族手当、については含めません。また、月給制の場合は、月給額を1ヶ月平均所定労働時間で割った額を時間額として、最低賃金額と比較します。
 以上を踏まえて、ご質問のケースを考えてみましょう。
 まず、年末年始もお盆も営業している年中無休のお店で、シフト制により、1年を通じて毎週40時間の法定労働時間めいっぱい働くと仮定します。(なお、労働基準法により、1週40時間を超える契約はできませんので念のため【労基法40条による特例事業を除く】)1年間は「365日÷7日」週なので、1年間の所定労働時間は「(365÷7)週×40時間/週」時間、これを12ヶ月で割った時間が1ヶ月平均所定労働時間であり、約173.8時間となります。月給15万円を173.8で割ると約863.06円となります。東京にあるお店なら、これでは最低賃金法違反となります。
 一方、週休2日制、年末年始等にも休日があり、年間休日120日、1日8時間労働という労働契約だったとします。1年間の所定労働日数は365日-120日=245日、これに8時間/日をかけると年間所定労働時間1960時間、これを12で割り、1ヶ月平均所定労働時間は163.33時間となります。月給15万円を163.33で割ると918.38円となりました。こちらの場合は、東京都の最低賃金をクリアすることになります。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 最低賃金をクリアするか否かの判定には、1ヶ月平均所定労働時間が何時間なのかが重要となります。しかし、所定労働時間があいまいな契約となっているために、1ヶ月平均所定労働時間が何時間か不明なケースが見受けられます。まずはここを明確にしなければなりません。
グルメキャリー288号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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