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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「残業代を積み立てて、賞与として支給することはできるか」

質問1

Q.

先日面接を受けたお店では、「残業代は毎月の給料として支給せずに、積み立てている。積み立てられた額は、年に2回賞与として支給する」といった説明を受けました。こういった支給方法は違法ではないのですか。
【33才 男性】
答え

A.

 明らかな法律違反です。
 お店としては、残業代の負担に頭を痛めて、年に2回支給している賞与を「半年間積み立てた残業代の後払い」という形にすれば、残業代をきちんと支払っていることになると苦し紛れに考えたのでしょう。しかし、この支給方法は、労働基準法で定められている「賃金支払の原則」に違反しています。この賃金支払の原則の中で、「賃金は、全額毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と定められています。賃金の締め日や支給日はお店が自由に設定することができますが、必ず毎月1回以上の給料日に、賃金計算期間に発生した賃金の全額を支払わなければならないということです。残業代を半年分まとめて支払うことは許されません。
 なお、純粋な賞与は、毎月一定期日払いの原則の例外とされています。ただし、賞与とは「定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額があらかじめ確定されていないものをいう」と行政解釈で示されています。残業代を積み立てたものを、いくらお店が「賞与」と呼んでも認められません。
グルメキャリー226号掲載

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久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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