最終更新日 2019年03月14日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「15分単位切り捨ての時給計算は許されるか」

質問1

Q.

 飲食店でアルバイトをしています。私のお店では、労働時間を15分単位で切り捨てて時給計算をしています。例えば、退勤時のタイムカードの打刻が、21時ちょうどでも21時14分でも、いずれも「21時退勤」と扱われます。なんだか納得いかないのですが、これは許されるのです。
【20才 女性】
答え

A.

 結論としては、完全なる違法行為です。
 原則として、労働時間は、1分単位で算定しなければならないとされています。例外として、行政通達により、「1ヶ月における時間外労働、休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げる」端数処理が認められているだけです。したがって、1日ずつで見ると、15分単位だろうが10分単位だろうが、切り捨てることは許されず、お店には1分単位まで把握する義務があります。また、先述の行政通達による端数処理をするとしても、30分以上は1時間に切り上げなければいけないので、常に切り捨てることはできません(1日単位でも1ヶ月単位でも、常に切り上げることは労働者に有利になるので、違法とはなりません)。
 現実には、アルバイトを使っている飲食店では、10分単位や15分単位、ひどいところだと30分単位で切り捨てて、時給計算をしているところが多くあります。しかし、これらは明らかに法的には許されない計算方法です。数年前、大手の飲食チェーンが30分単位で時給計算をしていたところ、労働基準監督署の指導により、1分単位に切り替えたと、新聞報道されたことがあります。
 また、この問題は法律論と離れたところで、使用者(お店の側)に大きな勘違いがあるように思います。おそらく、使用者としては、端数を切り捨てれば、払う給料が少なくなり、お店の方が『得』をすると思い込んでいるようです。しかし、実際のアルバイトの心理はどうでしょうか。
 例えば、ご質問のように、退勤の打刻をしようと時計を見ると、21時14分だったとします。そのとき、多くの人は「じゃあ、あと1分なにか仕事して、15分になってから打刻しよう」と考えるものです。下手をすると、タイムレコーダーの前で15分になるのを待っている者さえ出てきます。現に、切り捨てで計算していたお店が、1分単位に是正したところ、人件費は上がったどころか、逆に下がったという話がよくあるのです。
グルメキャリー207号掲載
イラスト

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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