最終更新日 2019年03月14日

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フードサービス業界の労務相談

※各記事に関しましてグルメキャリー本誌掲載当時のものになります。法改正により、現在の内容と異なっている場合もございます。ご了承ください。

「労働基準法改正による割増率の引き上げ」

質問1

Q.

 労働基準法が改正されて残業代の割増率がアップしたと聞きました。しかし、私の勤めるお店では計算方法が変わった様子がありません。これは法律に違反しているのでしょうか。
【35才 男性】
答え

A.

 依然としてみられる長時間労働の実態が社会問題とされています。この問題に対応するため、長時間労働を抑制し、労働者の健康確保、仕事と生活の調和を図ることを目的に労働基準法が改正され、平成22年4月1日から施行されています。最大の改正点は、一定時間を超える時間外労働に対する割増率が引き上げられたことです。ただし、一定範囲の中小企業においては、この改正点の適用は猶予されています。中小企業とは、飲食店の場合、「資本金の額または出資の総額が5000万円以下」または「常時使用する労働者数が50人以下」のいずれかに該当する場合です。労働者数は、事業場単位ではなく、企業単位で判断します。チェーン店の場合、全店舗の従業員を合計した人数です。ご質問のケースも、お勤め先が中小企業にあたる場合は、割増率アップの改正は猶予されているので、従来どおりの計算をしていても違法というわけではありません。
 さて、具体的な改正内容の詳細を見ておきましょう。通常、法定の労働時間を超えた時間外労働(残業)に対する割増賃金率は25%です。法改正後、1ヶ月60時間を超える時間外労働については、この25%の割増率が50%に引き上げられました。また、事業場で労使協定を締結すれば、引き上げ分の割増賃金を支払う代わりに、時間数に換算して有給休暇として与えることもできることになっています。
 今回の改正がすでに適用されている大企業にとって、大きな負担増となりました。いつまでも「飲食業は長時間労働が当たり前」と言ってられません。重大な経営問題として、時短を念頭に置いた人員配置や賃金制度を検討するべきです。
グルメキャリー174号掲載

飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

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