首都圏版
最終更新日 2019年01月17日

飲食店で働く人の求人・転職サイト「グルメキャリー」
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)版

MENU

フードサービス業界の労務相談
「働いてあげている」「働かせてあげている」はトラブルのもと!
現代の飲食業界において、健全な経営状態を保つためには「健全な労働環境の整備」が必要です。しかしながら中小企業、個人自営業が全体の9割以上を占める飲食業界は他のサービス業界同様、健全とは言い難い労働環境により雇用者と従業員間のトラブルが多い業界です。料理業界はそもそも「職人の世界」である事からいわゆる「サラリーマン的」な勤務意識がなく、【働く=奉公=修業→独り立ち】という図式が成立してきた世界ですが、「外食産業」「フードビジネス業界」の名のもと、メジャー業界として確立するには「正しい労務知識」は無視できません。このコーナーでは飲食業界の労働者・雇用者の両者の視点で正しい労務知識を紹介し、雇用者への啓発・提案、そして労働者への権利・責任などを実例をもとに理解していただき、両者にとってトラブルのない健全で分かち合える職場構築のサポートを目指しています。  
今号のご相談内容

今号のご相談内容

「応募者の前勤務先に問い合わせる「前職照会」は違法か」

質問1

Q.

  今のお店に転職してしばらくたってから知ったのですが、採用選考中に、前職のお店に私のことをいろいろ聞き出していたそうです。どういった情報を聞いていたのかは分からないのですが、ちょっと気持ち悪いです。こういった行為は違法ではないのですか。
【30才 女性】
答え

A.

  労働者を募集している企業が、応募者の退職理由や職務内容等について、前職の企業に問い合わせるということ(いわゆる「前職照会」)が、かつてはよく行われていました。実は、前職照会を直接的に禁止する法律は存在しません。したがって、個別の法律に抵触しない限りは、直ちに違法となるわけではありません。とは言え、個人情報の取扱いに敏感になっている昨今において、このような調査をしていることこそが、コンプライアンス意識が欠如していると言わざるを得ません。「聞く方も聞く方なら、答える方も答える方」というものです。
 では、個別に禁止されている法律にはどのようなものがあるでしょうか。
 まず、労働基準法には、「ブラックリストの禁止」と呼ばれる条文があります。使用者(お店の側)が、労働者の再就職を妨害する目的で、あらかじめ第三者とたくらんで、労働者の国籍、信条、社会的身分、労働組合運動に関する通信をしたり、退職証明書や解雇理由書に秘密の記号を記入したりしてはならない、というものです(22条4項)。ただし、「あらかじめ」という文言があることから、事前に示し合わせたわけではなく、個別の照会に応じる場合、この条文に違反したことになりません。
 次に、個人情報保護法に関してです。個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならないことを、原則としています(23条1項)。個人情報保護法に定義される「個人データ」について禁止している条文ですが、コンプライアンスの観点から、退職者に関するあらゆる照会について、答えない企業が多くなっているのではないかと思われます。
 なお、病歴、心身の障害があること、健康診断の結果、犯罪歴等については、2017年5月に施行された改正個人情報保護法で新たに規制対象となった「要配慮個人情報」として、より厳格な取扱が義務づけられ、原則として本人の同意を得ないで取得することを禁止しています(17条2項)。
 さて、ご質問についてですが、どのような態様で、どんな情報が取得されたかは不明のため、今回の前職照会が違法かどうかは断定することはできません。ただ、いずれにせよ、本人の知らないところでこっそり前職に問い合わせるという調査方法は、もはや時代にそぐわないと言ってよいでしょう。
飲食店オーナーの方へ

飲食店オーナーの方へ

 個人情報の問題とは別に、そもそも照会をしたところで、前職の企業にとって都合の悪いことは教えてくれないでしょうから、あまり意味のない調査とも言えます。
飲食店オーナーとしては、前職照会はやるべきことではなく、また、照会を受けても答えるべきではありません。
飲食店オーナー・経営者のみなさまへ
飲食業に強い社労士です!
久野先生

特定社会保険労務士 久野 航 Wataru Hisano PROFILE

昭和46年生まれ。寿司職人、ファミリーレストランなど外食業界の勤務経験豊富。チェーン系居酒屋店長を経て、社会保険労務士として独立。現場での経験と法的な視点を持ち合わせる異色の社労士として、飲食業の労働環境整備に向けて日々奮闘中。

ひさの社会保険労務士事務所〒114-0023 東京都北区滝野川7-39-3 丸勝マンション201

業務案内:給与計算、労働・社会保険の手続き代行、就業規則の診断・作成 店長・管理職対象労務研修の実施、人事・労務相談

お問い合わせはお気軽に! E-mail:info@SR-hisano.com URL:www.SR-hisano.com TEL:03-3906-4636 FAX:03-3906-2722
前回までのご相談

前回までのご相談内容

賃金について

労働時間について

休日・休暇について

各種社会保険について

源泉所得税・住民税について

その他

まずは会員登録

会員登録をすると、応募時に毎回入力しなくて済むから応募がとっても簡単に!
「後で見る」や「スカウトメール」などの便利な機能もご利用いただけます。

会員登録はこちら

後で見る一覧

【求人情報誌】グルメキャリー最新号

グルメキャリー最新号

飲食業界の求人情報やお役立ち情報が満載です!

vol.366

01/10 発売

価格200円

オンライン書店から購入