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有限会社 PUBLIC DINER

代表取締役 加賀﨑 勝弘

「実感をともなうつながり」こそ
これからの時代に価値をもつ

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加賀﨑 勝弘
- Katsuhiro Kagasaki -

1972年、埼玉県熊谷市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後、97年、博報堂入社。2003年に両親から加賀家食堂を引き継ぎ、リニューアルオープン。05年に有限会社 PUBLIC DINERを設立し、現在、熊谷市内に飲食店を8店舗を経営。宿泊施設「THE PUBLIC」を利用した「農泊(農山漁村滞在型旅行」の運営も手がける。


2019年11月掲載

シンプルで、ダイレクト。 飲食業には、リアリティがある

 埼玉県熊谷市にある「洋食・喫茶 PUBLIC DINER」。広いテラス席をもつ木造二階建ての建物は、洒落た雰囲気でありながら周囲の住宅街になじんでいる。男性、女性、家族連れなどのさまざまなお客様でにぎわう店内は、テレビや相席できる大テーブルなど食堂らしさがありつつも洗練された内装で、ガラスケースには埼玉県産の素材をふんだんに使ったデリ風の惣菜が並ぶ。

 運営するのは、熊谷市を中心に大衆食堂やカフェなど8店舗を展開する、有限会社 PUBLIC DINERだ。代表取締役の加賀﨑 勝弘氏は熊谷市に生まれ、大学卒業後は広告代理店大手の博報堂に入社。さまざまな広告やイベントを手がける広告マンとして活躍していた。しかし、しだいにひとつの疑問を抱くようになったという。

「僕が手がけていたのは大手企業の広告で、テレビCMや雑誌広告を制作していました。だけど僕らって、消費が動く瞬間を、なかなか直接見ることができないんです。『この商品、すごいよ』と伝えているけれど、それによってお客様の心がどのように動かされ、どんな思いで購入してくださっているのかが見えず、『自分が売っている』という実感をもつことができなかったんです。さらに当時は企業のホームページやSNSもどんどん展開されてきたころで、大量生産・大量消費の波がさらに加速していった。しだいに僕は『マス・マーケティングって、何なのだろう』、『自分の仕事はこれでいいのか』という疑問を感じるようになったんです」

 そんなとき、加賀﨑氏の心を惹きつけたのが、両親が実家で営む大衆食堂「加賀家食堂」だった。

「帰省して両親の仕事場を見ると、すごくシンプルだしダイレクト。自分で仕入れて、自分の手で料理を作って、自分で販売して、目の前でお客様の喜ぶ姿を見ることができる――飲食業は、実感とリアリティのある仕事だということに気づいたんですね。また、自分を育ててくれた両親と、食堂への恩返しの思いもあり、30才のときに実家を継ぐ決心をしました」

あらゆる層のお客様が、一瞬で 渾然一体となる「大衆食堂」

 2002年から、両親のもとで修業を始めた加賀﨑氏。前年に和食や中華、居酒屋、ファストフードなど7社を掛け持ちながら経験を積み、2003年に加賀家食堂を継いだ。しかし、「当初は大衆食堂の本当の魅力をわかっていなかった」と振り返る。

「両親のもとで修業するあいだ、せっかくやるならと、少しずつ店を変えていきました。ペンキを塗り直したり、カトラリを変えたり、お金をかけないで少しずつ、店の清潔感や居心地のよさを増やしていったんです。するとしだいに、客層が変わり始めました。それまでは肉体労働者やサラリーマンの方など、おもに男性のお客様が中心でした。ところが、家族連れのお客様がいらっしゃるようになり、女性のお客様が増え、さらには女子高生のお客様も。そして、あるときピンヒールを履いたキャリアウーマン風の女性のお客様がいらっしゃったんです。作業着姿の男性、家族連れ、若い女性、高校生、キャリアウーマン...あらゆる層のお客様が文字通り一堂に会し、店が渾然一体となった瞬間で、そのとき改めて『大衆食堂ってすごい!』と感動しました」

 それは、広告業界で働いていたころに抱いていた疑問が解けた瞬間でもあった。

「いろんな戦略を立てて物を売ることへの違和感が、その渾然一体となったお客様を見たときに解けていったんですね。例えば、マーケティングの手法のひとつとして、売りたい商品に対してのターゲット、ペルソナ(顧客像)を決め、アプローチを選んで物を売っていくのですが、やはりそれは単なる手法でしかなく、本来は『なくてもいいもの』だということを実感しました。マーケティングをしなくても、飲食業は直接その場でお客様の心に訴えることができる。また、宣伝や告知をしなくても、あらゆるお客様が集まって楽しく過ごす、その素晴らしい空間を作り出すことができるんです。あらためて大衆食堂ってすごい業態だと思いましたし、その思いから、社名も『みんなの食堂』を意味する『PUBLIC DINER』としました」

加賀﨑 勝弘さん

これから価値をもつのは
「実感をともなうつながり」

 加賀﨑氏は「加賀家食堂」をはじめ、加賀家食堂の洋食版である 「PUBLIC DINER」、地元百貨店の飲食フロアに喫茶店 「PUBLIC LOUNGE」、タルトとパイ専門店「PUBLIC SWEETS TART&PIE」、ベーカリーカフェ「パンと、惣菜と、珈琲と。」など、熊谷を中心にさまざまな業態の店舗を展開してきた。

「これほど異なる業態を、こんな小さな会社でやるのは結構珍しいと思います。正直、経営効率の面から言えば、あまり良くはないですね(苦笑)。店舗展開するなら同じ業態のほうが効率的ですから。でも、やっぱり店をやるなら『その土地に、今までなかったものを作らないといけない』という思いがあります。なので、都内からもたくさん出店依頼を頂くのですが、今のところ、特に僕らがやるべき必要性を感じないのでお断りしているんです」

 大切にしているのは、地域に必要な店であること、パブリックであること、自分たちがやる必要があること。加賀﨑氏の経営理念はクリアで、一貫している。

 そんな加賀﨑氏が現在注力しているのが、地元愛を育むことをテーマとしてさまざまな活動を行う「HOME GROWN PROJECT」だ。そのひとつ、埼玉県最大級のフェス 「GREATER KUMAGAYA ORGANIC FES」は、「自然と人、人と人が有機的(オーガニック)につながる暮らし・生き方」という視点から、加賀﨑氏自ら埼玉県全63市町村をまわって集めた、飲食店の経営者やアーティスト、農家、商工会や町役場の職員など、さまざまな人々の手によって開催され、初年度から4万5千人を動員した。

 また、フェスの非日常を日常へと落とし込む場として、農泊施設「THE PUBLIC」を運営。農業体験を含む宿泊プランや、ワークショップなどのイベントも随時開催している。

「今の時代、SNSやホームページでつながれているような気になれるけれど、本当のつながりはなかなか得がたいもの。これからは、その『本当のつながり』が価値をもつ時代になると思います。日常に根ざしたリアルな体験を、店ではもちろん、いろんな場面で発信していきたいですね」

370shop.jpg洋食・喫茶 PUBLIC DINER(取材店舗)

有限会社 PUBLIC DINER
─ 店舗情報 ─

洋食・喫茶 PUBLIC DINER

住 所:埼玉県熊谷市肥塚4-29

電 話:048-580-7316


大衆食堂 加賀家食堂

住 所:埼玉県熊谷市佐谷田2083

電 話:048-521-3618


パンと、惣菜と、珈琲と。

住 所:埼玉県熊谷市宮町2-131

電 話:048-501-7330


PUBLIC LOUNGE

住 所:埼玉県熊谷市仲町74 八木橋百貨店7F

電 話:048-501-8895


PUBLIC SWEETS TART & PIE

住 所:埼玉県熊谷市肥塚711-2 くまのこみち内

電 話:048-577-7667

THE PUBLIC

住 所:埼玉県熊谷市手島215

電 話:048-598-6965


現在8店舗展開中

文:瀬尾 ゆかり 写真:小野 順平

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