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最終更新日 2018年11月15日

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株式会社 太郎

代表取締役 田中 力哉

新たな価値を創り出す "新6次産業"の構築を目指して

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田中 力哉
- Rikiya Tanaka -

1972年、千葉県出身。大学卒業後、中国の海運会社勤務を経て個人で貿易ビジネスを始める。帰国後、本場の味を伝える中国料理店を千葉に開業するも受け入れられず、都心の出店を計画。2005年、赤坂に「黒猫夜」をオープン。以後、六本木、銀座と出店し、現在3店舗を展開。中国酒の卸販売をはじめウェブショップ、自社農園も運営中。

2018年9月掲載

レストラン運営の枠にとらわれず 次々と新しいチャレンジを続ける

 クロネコヨル──一度聞いたら忘れられない不思議な響き。大人の夜の街、赤坂・六本木・銀座に店を構える「黒猫夜」の「猫夜」とは、中国語のスラングで夜遊びを意味するのだとか。名物の"百家風鴨舌炒め"をはじめ、ちょっと他では見かけないような本格的な中国郷土料理を求めて、夜な夜な、大人たちがここに集ってくる。

 中国で貿易ビジネスを手がけていた田中氏が、飲食未経験で中国料理店を営むことになったのも、現地のローカルな料理を日本の人々に紹介したいと思ったのがきっかけだった。

「はじめは千葉に店を出したのですが、子どもも多い住宅地ではマイルドな日本風の料理しか受け入れられませんでした。自分の表現したい料理にするには、都心の一等地でなければ無理だと気づいたのです」

 2005年、赤坂に「黒猫夜」を出店。3階という立地もあって、オープンから半年くらいは集客に苦戦したものの、「中国に滞在した経験のある人たちがこんなのもあるの!?と驚き、懐かしがる料理」の評判はじわじわと広がっていった。会社を設立した4年目に六本木、2013年に銀座に出店。順調に客足を伸ばし続け、「都心に3店舗」という第一の目標を達成した。

 その間にも、中国酒の輸入卸販売を開始したり、ウェブショップを立ち上げたり、レストラン運営の枠にとらわれない事業を展開。とりわけ中国酒に関しては独自の地位を確立している。

「輸入卸を始めた当時は、中国酒はほとんど知られていませんでした。広大な中国大陸にはいろいろな酒があるにちがいないと探し回ってみると、やはり各地で作られていました。当社は今や、中国酒のパイオニア。都内に卸している中国の地酒のほとんどに太郎の社名が入っているはずです」

 さらには、有機肥料・減農薬栽培による自社農園の運営をスタート。昨年には、農園の野菜などを加工する世田谷ラボ食品加工センターも設立。次々と新たなチャレンジを続けている。

スタッフの活躍の場を広げながら 透明性のある繋がりを築き上げる

 多様な事業を展開することは、実はデメリットも少なくない。それでも、田中氏が敢えて挑戦する理由とは?

「商売としては、1つのことを続けるほうが確実に儲かります。ある程度の規模の会社でなければ、効率も悪い。だけれど、何十年も同じ仕事をしていては、私自身が楽しめないでしょう。今はスタートアップが早くできるようになったので、うまく回り出すチャンスはたくさんあります。それならば、トライしてみたいと思います」

 事業展開は、働く人たちのフィールドを広げるという意味合いも大きい。スタッフの年令層は20代~30代。「何かおもしろいことができそうな会社だ」と、日本だけではなく中国、台湾からも人材が集まってきている。

「普通のレストランのように料理の職人さんだけを募るのではなく、幅広い人材を必要としています。求められるのは、やる気とチャレンジ精神。いろいろな世界を見て、新しい分野をどんどん開拓してもらいたいですね」

 研修などの社内制度も充実。1人ひとりのキャリアアップを応援する。

「スカイプを使った語学授業の費用を援助しています。私たちのワークフィールドは主にアジア全域。そこで活躍するためのスキルとして、語学の習得は大きな武器になるでしょう。また、入社2年目を過ぎたスタッフには、約5日間のアジア研修旅行をプレゼントしています。さらに現在、海外のレストランと提携して、現地で経験を積める研修も計画中です」

 一方、"まったり部屋"なるユニークな支援も。さまざまな形で、働きやすい環境を整えている。

「赤坂にあるマンションの一室をスタッフみんなに提供しています。半分は物置になっていますが、お酒を飲んで帰りが遅くなったときに泊まってもいいし、真面目な仕事の話をしてもいい。もちろん、ただまったりするだけでもかまいません。使い方は自由です。この部屋にある本は、社内図書室制度で購入したもの。毎月、定額以内の本を会社の経費で購入し、全員で共有できるようにしています」

 この他にも、社内プロジェクト会議の実施を予定。チーム・スタッフ間の交流を図り、メンバーそれぞれの自主性を引き出すことを目的としている。

「営業日半日を利用して、全スタッフが自由に使える時間を用意します。新人からベテランまでみんなが自由に討論できる場をつくり、透明性のある繋がりを構築したいと考えています。月一で開催しているイベントの企画なども、この時間を利用して募集する予定です。チームづくりに始まり、立案から実際の運営まで、自分のアイデアを実現してもらいたいと思います」

田中 力哉さん

異なる食文化の仲間たちが集った
"異食文化倶楽部"の挑戦が始まる

 いまや、中国郷土料理、中国地酒の店として「黒猫夜」の人気はすっかり定着。より広くアジアン料理の業態展開を計画するなど、いよいよ次のステップへと踏み出す。「これでいけるという感触をつかんだ」という田中氏の目指すところは、"新6次産業の構築"。はたして、どんなビジョンを描いているのだろう。

「農林水産(1次産業)、食品加工(2次産業)、流通・販売(3次産業)を融合させた6次産業に、テクノロジーとネットワークをプラスするのが、私たちの提唱する"新6次産業"。すべてが結びついて、新しい価値を生み出す産業になります。1次産業としては、2014年に開始した自社農園の運営に加え、畜産にも乗り出しています。2次産業となる世田谷ラボ食品加工センターでは、缶詰加工ラインや急速冷凍チルドパックラインも完備。新商品をどんどん開発しています。3次産業はレストラン運営と中国酒の卸販売だけではなく、ECサイト『酒中旨仙』で構築してきたネットワークがあります。これらで培ったノウハウと世界に広がるネットワークを活かし、新6次産業へと展開していきます」

 新たな目標に向けて、ミッションを帯びた仲間たちと未来への挑戦が始まろうとしている。その組織を、田中氏は"異食文化倶楽部"と称する。

「いろいろな異なる食文化を持った仲間が集まり、いろいろな表現を通して、新しい価値の創出にチャレンジします。食には、もっとたくさんの表現があるはず。業界の垣根を越えて、楽しい、おもしろいと感じたり、テンションが上がるような想いを大切にしたい。会社というよりクラブ活動のような、営利組織ではあってもインフォーマルな集団。各チームが主体性を持って、自立駆動する共同体でありたいですね。これからも私たちが提供する食によって、たくさんの人たちが繋がり、喜びを感じてもらえるよう、本当に必要とされる価値を追求していきたいと考えています」

349shop.jpg【取材店舗】黒猫夜 赤坂店

株式会社 太郎
─ 店舗情報 ─

黒猫夜 赤坂店

住 所:東京都港区赤坂3-9- 8 篠原ビル3F

時 間:【平日】昼11:30~14:00/夜18:00~23:45
【土曜】昼11:30〜14:00/夜18:00~23:00
日曜・祝日定休

電 話:03-3582-3536

黒猫夜 六本木店

住 所:東京都港区六本木4-9-1 佐竹ビル4F

時 間:【平日】昼11:30~14:00/夜18:00~23:30
【土曜】夜18:00~23:00
日曜・祝日定休

電 話:03-3497-0256

黒猫夜 銀座店

住 所:東京都中央区銀座7-8-15 第二新橋会館8F

時 間:【平日】昼11:30~14:00/夜18:00~23:30
【土曜】夜18:00~23:00
日曜・祝日定休

電 話:03-6280-6464

現在、3店舗展開中

文:西田 知子 写真:ボクダ 茂

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